同族や一族の資産運用及び事業継承等,財務的な管理計画を立案・実行するための外部機関.
1820年代以降、アメリカにおいて事業を営む一族(古くはロックフェラーやカーネギー等,近年ではマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ)の資産保全、次世代への資産継承を目的に発展してきた。今日,既に3,000以上のファミリー・オフィスが米国に存在するといわれる
国際的な透明化圧力、情報格差の縮小、投資ツールの多様化の影響を受けて、 この10年で富裕層の資金が、スイスのプライベートバンクから、 世界中の金融センターに設立されたファミリーオフィスへ流れるという 時代の大きな動きがあったことは、これまでに書いてきたとおりです。 kaigaihoujin.hatenablog.com kaigaihoujin.hatenablog.com 2023年に、スイスのプライベートバンクを代表する最大手クレディ・スイスが 経営破綻寸前にいたり、UBSグループに買収されたことは、 この時代の変化を象徴するショッキングな出来事と言えます。 kaigaihoujin.ha…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき→ これまで、投資、資産保全、分配、人材、価値観、教育などの視点からファミリーオフィスについて9回にわたって説明してきました。 これだけ見ると、十分に稼ぎきった創業者が、本業/家業によるオフェンシブな労働から離れて、ファミリーオフィスによるディフェンシブな投資へシフトしていると思われるかもしれません。 しかし、それは大きな誤解です。 家業、つまりファミリービジネスを「持つ者」にとって、各種金融投資(株式、債券、PE、不動産など)や、その効率と安全性を高めるファミリーオフィスは、あくまでも補助的なものに過ぎません。 これは感覚的…
オフショア法人関連のサービス提供者の中には、片手で数えられる程度ですが、レベルの高い専門家がいます。 こうした専門家は、マーケット側に現れることはほとんどなく、主要な法域に根ざして、関係各所と信用を積み重ねつつ、複数法域の最新の法律とケーススタディ(事例研究)にも精通する存在です。 大きい案件であればあるほど、事情は複雑で、一般解を当てはめるのが難しくなりますので、彼らの「新薬開発力」と「臨床実績」はとても頼りになります。 一方で、プロフェッショナルにありがちですが、正確を期すための強固なロジックと繊細な言葉選びが、クライアントからすると、頭でっかちで、過剰品質で、責任回避的に映ることがありま…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き→ 中東情勢が不透明な中、金融市場の動揺が長期化しています。 UAE(ドバイ・アブダビ)からの資金流出は、民間レベルに留まらず、長期的にスタンスを取る中東政府系ファンドと老舗のファミリーオフィスにも波及しており、いずれも資金の向かう先は、香港です。 理性的な資本は、自由な金融インフラと政治的な安定性が両立する法域として、香港を総合的に再評価しているようです。
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回の続き⇒ 国際教育戦略 超富裕層の家庭にとって、子供の「国際感覚の教育」と親の「国際的な地位」は、切り離せない重要なテーマであり、ファミリーオフィスは、親と子の両方にとって重要な国際教育戦略において、大きな力を発揮します。 まず、優れたファミリーオフィスは、主要なインターナショナルスクールやボーディングスクールへの入学支援、推薦ネットワークの活用といった形で、海外トップ校への進学ルートを提供します。 子供にとっては、一発勝負型の入試から解放されることで、課外活動やエッセイを重視する教育環境を選べるため、ストレスを減らしつつ国際感覚を養…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ 「良質な」ファミリーオフィスは、ファミリーの持続的な繁栄に必要なほとんどのテーマをサポートできます。 資産管理 リスク管理 機密保持 良質な社会資源へのアクセス ガバナンス(家族統治、価値観促進) 一方で「良質な」ファミリーは、ファミリーオフィスを有効活用しつつも、ファミリーのメンバー間でしか継承されないものがあるということも知っています。 それは、生産能力を高める意識だったり、失敗コストの考え方だったり、プライベートな人脈だったり、行儀作法や生活慣習の型だったりします。 ファミリーの舵取りは結局のところファミリーがするし…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ 香港、シンガポール、ドバイを中心に、アジアのファミリーオフィスは、コロナ下においても、年々倍増し、現在では合計で5000以上あると言われます。 その数を正確に把握できないのは、この業界が秘密主義の上に成り立っているためです。 アメリカと異なり、アジアの発展途上のファミリーオフィス業界では、ライセンス要件や金額制限はゆるく、公開登録も義務付けられていない法域がたくさんあります。業界団体も未熟のため、統計情報や自主規制もほとんどありません。 マネーの匂いが蔓延し、玉石混交で、詐欺やマネーロンダリングが起こりやすい状態にあると言…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ ファミリーオフィスは、超富裕層の資産管理だけをするスマートな仕事ではありません。ファミリーのためならなんでもする、ウェットで泥臭い奉仕の仕事です。 それは、ファミリーのマネーを守るだけでなく、ときにマネーからファミリーを守ります。 お金があることで、人生が豊かになることもあれば、お金があるせいで、人生が狂う人もいるからです。 散財して豪遊するだけならまだしも、自分の能力を示すために子息が新規事業やコア事業の革新にコケると、ファミリーの基盤が揺らいでしまいます。 良からぬ交友関係だけならまだしも、適切でない婚姻相手を選んでし…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ ファミリーオフィスのプロフェッショナルが招請した家族会議に、専門分野のアドバイザーとして同席させていただいたことがあります。 東南アジアと欧米の原材料貿易で成功したのち、各種電子機器の代理店事業と不動産の財テクで大きな富を得た創業者はすでに亡くなり、ファミリーのトップは欧州で教育を受け、世代交代してから10年以上代理店事業のトップを務める創業者の長男。 創業者が健在だったころに自力で進めた事業継承と資産分配が、経営環境と家族構成の変化に合わなくなりつつあり、家族間の不平不満も噴出したため、長男がファミリーオフィス設立の音頭…
kaigaihoujin.hatenablog.com 前回のつづき⇒ 超富裕層にとって資産分配は悩みが尽きないテーマであり、 主に以下の項目に細分化されます。 1.家業・事業の継承 ー 事業資産と私的資産の分離 ー 事業継承計画と組織再編 ー 後継者選定 ー 後継者育成 2.分配ルールの策定 ー 公平性 ー 特例の考慮 ー 条件つき ー 家族協議の必要性 3.慈善活動 ー 社会的意義 ー 社会的影響力 ー 理念と価値観の継承 ー 運営方法 ー 税制優遇措置 4.リポートフォリオ ー 投資目的 ー 投資戦略 ー アセットクラスとマーケットの分散 ー インフレヘッジ ー 将来の資金需要 5.相続…