訓読 >>> 1792白玉(しらたま)の 人のその名を なかなかに 言(こと)を下延(したは)へ 逢はぬ日の 数多(まね)く過ぐれば 恋ふる日の 重なり行けば 思ひやる たどきを知らに 肝(きも)向かふ 心砕けて 玉だすき 懸(か)けぬ時なく 口やまず 我(あ)が恋ふる児(こ)を 玉釧(たまくしろ) 手に取り持ちて まそ鏡 直目(ただめ)に見ねば したひ山 下(した)行く水の 上(うへ)に出(い)でず 我(あ)が思ふ心 安きそらかも 1793垣(かき)ほなす人の横言(よこごと)繁(しげ)みかも逢はぬ日(ひ)数多(まね)く月の経(へ)ぬらむ 1794立ち変り月重なりて逢はねどもさね忘らえず面影(…