訓読 >>> 1477卯(う)の花もいまだ咲かねば霍公鳥(ほととぎす)佐保(さほ)の山辺(やまへ)に来(き)鳴き響(とよ)もす 1478我が宿の花橘(はなたちばな)のいつしかも玉に貫(ぬ)くべくその実なりなむ 1479隠(こも)りのみ居(を)ればいぶせみ慰(なぐさ)むと出(い)で立ち聞けば来(き)鳴く晩蝉(ひぐらし) 要旨 >>> 〈1477〉卯の花もまだ咲かないのに、ホトトギスが佐保の山辺にやって来て鳴き立てている。 〈1478〉私の家の庭先の花橘は、いつになったら珠として緒に通せるようにその実がなるのだろうか。 〈1479〉こもってばかりいると気鬱になるばかりで、外に出て立って聞いていると…