1963年生まれ。作家。 1998年、『Jの神話』で第四回メフィスト賞を受賞し、デビュー。 竹本健治氏の『匣の中の失楽』のオマージュである『匣の中』や、一風変わったライトノベルである『マリオネット症候群』など、独特のセンスに溢れた作品を上梓している。 また、別名義の市川尚吾では評論活動を行っている。
本記事では乾くるみさんの小説『イニシエーション・ラブ』を紹介します。 イニシエーション・ラブ あらすじ 登場人物 ネタバレなしの感想 ネタバレありの感想 イニシエーション・ラブ 著者:乾くるみ 出版社:文藝春秋社 ページ数:272ページ 読了日:2024年9月5日 満足度:★★★☆☆ 乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』。 タロットシリーズの「The Lovers(恋人)」。 「2005本格ミステリ・ベスト10」の6位、 「このミステリーがすごい!2005年版」12位。 2015年に松田翔太さん主演で映画化されている。 あらすじ 鈴木夕樹は、大学の友人の望月大輔から、 代打で呼ばれて参加し…
どうも!kimamalaboです。 今週のお題は「好きな小説」です! みなさんは小説を読みますでしょうか? 私はあまり頻度は高くないのですが、読みます。今回は、私の好きな小説を紹介したいと思います! 1.イニシエーション・ラブ 乾 くるみ 著 映画化もされているほどの言わずと知れた名作です!まだ読んでいない方にはぜひ、読んでほしい一冊です。 あらすじは、冴えない主人公が合コンである女性と出会い、恋に落ちる、というありがちなラブストーリーです。 しかし、この物語の本質は最後まで読まなければ分かりません。これ以上の説明はできないのです。笑 映画もそれなりによくできていましたが、やはり小説のほうが私…
ミステリーの短編小説7本で構成される一冊。 Amazon.co.jp: ハートフル・ラブ (文春文庫 い 66-6) : 乾 くるみ: 本 ------------------------------ 大学生の克己は実習グループの紅一点である亜紀に好意を抱く。交際経験がなく、他の男子も彼女を狙っていると知り、一歩引いていた克己だが、亜紀から「二人で会いたい」と思わぬ誘いがあって――(書き下ろし「数学科の女」)他に、突然の余命宣告を受けて結婚を決意した夫婦を描く「夫の余命」(日本推理作家協会賞候補)や、アイドルの握手会をまさかのミステリに仕立てた「なんて素敵な握手会」など、どんでん返しの名手の技…
その夏、僕は彼女に出会い、恋に落ちた―― 若い男女の青春、恋愛物語と思いきや、最後から2行目で驚愕の真実が発覚する。 「東西ミステリーベスト100」(文藝春秋、2012年)の「東=国内」編第74位。 以下、ネタばれ注意。 イニシエーション・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon ミステリー作品とうたってあったので、冒頭部分の男女恋愛物語もそのうち謎めいてくるのだろうと耐えて読み進めていった。結論からいうと、最後まで恋愛物語だったが、最後から2行目でガツンと頭を殴られた。 一人称視点「僕」で語られる、サイドAとサイドBとの二部構成。 「僕」の名前は「鈴木夕樹」、「ゆうき」と…
こんにちは。 印象に残る、衝撃的な小説を紹介します。 映画化もされた、 乾 くるみさんの作品です。 <今回紹介する本> 『イニシエーション・ラブ』 乾 くるみ著 <注目ポイント> ・もう一度読み返したくなる結末 ・バブル期の様子を感じることができる <あらすじ> 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。 やがて僕らは恋に落ちて……。 バブルにわく1980年代後半の世相や流行を背景に、 甘美でときにほろ苦い青春のひとときを 瑞々しい筆致で描いた青春小説ーーーと思いきや、 最後から2行目(絶対先に読まないで!)で、 本書は全く違った物語に変貌する。 (Amazonより一部引用) <感想>…
イニシエーション・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon 【あらすじ】 ・鈴木は代打で呼ばれて参加した合コンでマユに出会う。同じメンバーで海水浴に行き彼女への想いをより強くした鈴木は思い切ってマユに電話をかける。それをきっかけに二人で会うようになりやがて付き合うことになるが、鈴木は静岡から東京へ2年間転勤になり遠距離交際が始まる。 【感想】 ・最後から2行目は絶対に読まないで、というのはその通り。読み終えた後に最初から読み直すと、色々な仕掛けが紛れ込んでいるのがわかって、よく考えられたストーリーだなあと感心しました。 ・物語の後半からなんとも言えない「鈴木ってこんなキャラ…
そのセンセーショナルさは圧巻 乾くるみ先生の作品は、間違いなくこの世界のお話なのに、どこか、異世界のような感覚を味わえます。自分の中に、何か、モヤっとした感覚を残します。不思議な高揚感も感じます。納得が行くような行かないような?こういうことをパラドックスと言うのかもしれません。けむに巻かれて、いつの間にか終わってしまっている。何とも言えない後味があります。もっと、この先を読んでみたい。更なる未知の世界に行けるような気がする。そんな感覚も味わえます。『Jの神話』は、乾先生のデビュー作なのだそうです。最後に、文芸評論家:円堂都司昭さんの解説がありますので、ぜひ読んでみたほうがいいかと思います。作者…
イニシエーション・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon 何かを、こうだと、思い込んでいる時は 回りが見えなくなることがある。 小さな違和感を感じても きっとこういうことでは、、と 自分に都合よく解釈したがる。 事実は、思い込みが作り出す。 違和感を大切に。。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ※「イニシエーション・ラブ」乾くるみ カバーには「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する」と注意書き。「読み終わった後は必ずもう一度読み返したくなる」と銘打たれたミステリー作品。
内容(amazonより引用) 大学生の克己は実習グループの紅一点である亜紀に好意を抱く。交際経験がなく、他の男子も彼女を狙っていると知り、一歩引いていた克己だが、亜紀から「二人で会いたい」と思わぬ誘いがあって――(書き下ろし「数学科の女」) 他に、突然の余命宣告を受けて結婚を決意した夫婦を描く「夫の余命」(日本推理作家協会賞候補)や、アイドルの握手会をまさかのミステリに仕立てた「なんて素敵な握手会」など、どんでん返しの名手の技が冴える珠玉のミステリ7篇収録。 ハートフル・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon 感想(ネタバレなし) ※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※ …
今回はタイムトラベル系ミステリーである乾くるみさんの『リピート』をご紹介いたします。 乾くるみさんといえばイニシエーションラブでもお馴染みですね。 今回のリピートもイニシエーションラブに劣らず面白い! ということで、早速ご紹介です。 『リピート』は、タイムトラベルとミステリーの要素を巧みに組み合わせた小説です。 この小説は、現在の記憶を持ったまま10ヵ月前の自分に戻れるという夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ10人の男女が、一人また一人と不審な死を遂げるという事件を描いています。 タイムトラベルを扱った作品の中でも、過去改変による影響や改変前との比較などが複雑にな…
仕事をサボってしまった さらにウーバーイーツを頼んでしまった 2500円・・・ せっかく暇になったしサボったんだからジム・・・と思ったけど 平日18時までのプランでプログラム的に今日はもう難しくて 懺悔のためにブログを書きます 実は最近いいなと思ってた家の審査を通してたんだけど あっけなく散って しばらく落ち込んだけど、 たった5•5万の家すら借りられない信用・・・ ってなんか全ての関わった人に汚い言葉を浴びせたくなるくらいムカついて でもよく考えたら無収入で通して通るわけなくて 地元の地主が経営してる家らしいんだけど さすがお金持ちはただのバカじゃないな(笑) と思った めちゃくちゃ関係ない…
2024年は読んだ本の感想や読了日を手帳にメモしていました。せっかくだからブログに記そうと思う。↓はアイキャッチ用に書いた落書き。 たぶん、小説とかはみんな知ってる作品しか読んでないです。 少しネタバレがあるかもしれません。感想を書くのが苦手なのでこの記事を読んでも「これ読みたい」と思うことはないかもしれません。私の備忘録ですご了承ください。 1月 1. 元ヤクザ弁護士 諸橋仁智 タイトル通り、ヤクザやめて弁護士資格取った人の自叙伝。なかなか面白かった。もとヤクザでも弁護士になれるらしい。 元ヤクザ弁護士 ヤクザのバッジを外して、弁護士バッジをつけました [ 諸橋 仁智 ]価格: 1540 円…
昨年も注目作品が次々と文庫化されていました。そこで今回は昨年文庫化された作品の中からおすすめ作品を30作品紹介したいと思います。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。※各作品タイトルのリンクはBookWalkerページに飛びます。 1.同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA) 同志少女よ、敵を撃て posted with ヨメレバ 逢坂 冬馬 早川書房 2024年12月11日頃 楽天ブックス 楽天kobo Amazon Kindle honto 紀伊國屋書店 独ソ戦が激化する1942年、急襲したドイツ軍によって母や村人たちが惨殺され、赤軍の女性兵士イリーナに救われたセラフィマ…
2024年の読書メーター読んだ本の数:230読んだページ数:72561ナイス数:1448古代ローマ人の24時間 ---よみがえる帝都ローマの民衆生活 (河出文庫)の感想古代ローマ人の生活が生き生きと蘇る。 他人の生活を覗き見しているような後ろめたさを感じつつ。読了日:01月01日 著者:アルベルト・アンジェラ言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)の感想オノマトペから言語の起源、本質に迫ろうとする本。対象が身近な分、とっつきやすくスイスイ読めた。よくできた新書だと思うが、なぜこれがベストセラーになったのか謎だ。読了日:01月03日 著者:今井 むつみ,秋田 喜美言語は…
ランキング参加中まとめ ランキング参加中YouTube www.youtube.com 向日葵の咲かない夏(新潮文庫) 作者:道尾秀介 新潮社 Amazon シャドウ (創元推理文庫) 作者:道尾 秀介 東京創元社 Amazon 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫) 作者:道尾秀介 新潮社 Amazon カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) 作者:道尾秀介 講談社 Amazon カエルの小指 a murder of crows カラスの親指 (講談社文庫) 作者:道尾秀介 講談社 Amazon 背の眼(上) (幻冬舎文庫) 作者:道尾…
セカンド・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon 【あらすじ】 ・会社の先輩の紀藤に誘われてスキー旅行で正明は大学生の資産家令嬢の春香と出会う。やがて付き合い始めるが、二人で歩いている時に春香が見知らぬ紳士から声を掛けられホステスに間違えられる。正明は気になってホステスに会いにいったが春香にそっくりな美奈子から、生き別れた双子のであると衝撃の告白をされる。正明は春香とは対照的な美奈子に心惹かれていくが、紀藤から美奈子と付き合いたいと告白され、春香の出生の秘密がバレてしまうのを恐れる。 【感想】★★★ ・春香と美奈子が同一人物であると見抜き、それをいいことに正明より先に手を…
普段あまり本を読まない人にこそ効果絶大だろうな…みたいな本をピックしてみました。どんでん返し、思い込み、トリック、衝撃の種類は様々。内容が内容だけに紹介がアッサリになってしまうのは許して欲しい。 葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者:歌野 晶午文藝春秋Amazonまだそこまで活字中毒という程でもなかった頃に読んだので(今も別に中毒とかではないけど…)、わたしの中では衝撃が大きかった。何回も紹介してるので余程衝撃やったんやなとわかって貰えると思うw 映像化は多分無理。 告白 (双葉文庫)作者:湊かなえ双葉社Amazonイヤミスの金字塔。こちらは映画化されてますね。 方舟 (講談社文庫…
『白夜行』東野圭吾 読後に心が震えるミステリー。少年と少女の過去に隠された謎を中心に展開する、長編ミステリーの傑作。真相が明らかになるほど胸が締め付けられる切なさがあるので、心の準備をしてから読んでほしい。かなり長いので時間があるときにおすすめ。 『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 読者を騙すトリックの妙。恋愛小説風に進む物語の最後に、全てがひっくり返る驚愕の真相が待っています。読み終わった後、もう一度最初から読みたくなる「仕掛け」が詰まった作品。映像化が不可能と言われた名作だったが、映画化に成功した。そちらも見てほしい。 『十角館の殺人』綾辻行人 新本格ミステリーの代表作。孤島に集まった推理…
本 2024/11/01:「回樹」斜線堂有紀 著 2024/11/06:「窒息の街」マリオン・メッシナー 著 2024/11/10:「ギークに銃はいらない」斧田小夜 著 2024/11/19:「恐怖を失った男」M.W.クレイヴン 著、山中朝晶 訳 2024/11/21:「パン屋再襲撃」村上春樹 著 2024/11/24:「一杯のおいしい紅茶」ジョージ・オーウェル 著、小野寺健 編訳 2024/11/30:「スリープ」乾くるみ 著 漫画 2024/11/06-08:「Artiste 1-10」さもえど太郎 著 2024/11/29:「ブルーピリオド 16」山口つばさ 著 映画・公演 2024/1…
「本を読みたいけれど、どれが良いかわからない…」「最後まで読み切れるか不安」という方も多いかもしれません。そんな方にぴったりの、読みやすくて面白い本を10冊ご紹介します。テンポが良く、共感しやすい内容や短い章でサクサク読める作品ばかりです。ぜひ、あなたの新しい読書体験に役立ててください! 1. 「コンビニ人間」 村田沙耶香 あらすじ 普通の人生を歩めない自分を変えることもできず、18年間コンビニで働く女性が、自分らしさや社会との折り合いを模索する物語です。 面白いポイント コンビニ店員としての「役割」を生きる主人公の姿がユーモラスで、共感を誘います。独特な視点で描かれる「普通とは?」というテー…
死体で遊ぶな大人たち作者:倉知 淳実業之日本社Amazon これ、作者当てクイズで出されてたら、何の迷いも無く、 自信満々で”西澤保彦”って答えてたと思う(2編目なんか特に)。 そうか、倉知淳か。それより先に”乾くるみ”の名を挙げてたかも。 作家デビュー30周年記念作品らしい。それをこんな(笑) いや、まぁ凄いや。個人的には大好きですよ、ロジカルなバカミス(笑) 「本格・オブ・ザ・リビングデッド」 〇〇先生の許可取得済みの、ゾンビに囲まれた別荘内の殺人事件。 いやぁ、もうバカトリックとしては本書中ピカイチ。 「三人の戸惑う犯人候補者たち」 作品の枠組み設定がどう見ても西澤保彦的で騙された(作者…
東急世田谷線の旅⑤三茶de大道芸『三軒茶屋駅の発着風景編』 Tokyu Setagaya Line Trip (5) Sancha de Street Performance "Sangenjaya Station Departure and Arrival Scenery" 先日は幸福の招き猫電車の発車する風景のご紹介でしたので、今回は1本後(下高井戸駅からの折り返し)の到着風景のご紹介です。刻々と近づいてくる、ほっぺが光る招き猫電車のお顔をお楽しみください。 photo@arashi 🎥映画鑑賞備忘録🎥 Movie Viewing Memorandum 『リバー、流れないでよ』 原案:脚本…
4時過ぎ起床。103.7㎏。 『秋山ロケの地図』『ロンドンハーツ』『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』『午前0時の森』『イワクラと吉住の番組』11/14㈫放送回視聴。 ガストでクーポンの目玉焼き&ベーコンソーセージセットを頼み、『カケスはカケスの森』読了。続けて『超短編! 大どんでん返し』から乾くるみ「なんて素敵な握手会」、蘇部健一「トカレフとスタンウェイとダルエスサラーム」、似鳥鶏「vsパンダ」、米澤穂信「白木の箱」、日明恩「愛妻へのプレゼント」、田丸雅智「骨なし」、辻真先「忘却とは」、井上真偽「或るおとぎばなし」、東川篤哉「早業殺人に必要なもの」、葉真中顕「究極の密室」、法月綸太郎「…
ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫 ひ 17-12) 作者:東野 圭吾 講談社 Amazon ブックオフで450円で買った。なんかタイトルを聞いたことがあると思ったら、映画化していたらしい。 www.youtube.com 「ある閉ざされた雪の山荘で」というのは古くからあるミステリーの舞台設定だが、それを「演じる」ということを強制された劇団員たち、という設定がよくできている。そうして彼らが「劇団員」であるということが、実は物語の重要なファクターになっている。ある人物の一人称と、三人称の文章が交互にはさまる独特の構成なのだが、それにも理由がある。そのほか、あちこちに伏線をばらまいている。東野…