赤を割ればポカっと虚し烏瓜 裏山を歩くとカラスウリが目に入る。その赤が鮮やかだ。ああやっとそんな季節か、と思わせる。蔓を引っぱってみるが、なかなかしぶとい。しかたなく赤い実の近くだけちぎって持ちかえる。でもこれが乾燥してパリッと割れてしまうと、あまりに薄い外側だけの実体の軽さに哀しささえ覚える。夏の夜に、あのレースのような艶やかな花を咲かせたことが、もう嘘のようだ。 これはスズメウリ。1センチほどの大きさ。 カラスより小さのでスズメと呼んだのだという。カラスノエンドウ、スズメノエンドウも同じ例だ。ノエンドウにはカラスとスズメの中間にカスマグサ(カとスの間)という言葉遊びみたいな名前があるが、カ…