『翠雨の人』は『藍を継ぐ海』で直木賞を受賞した伊与原新さんの受賞後第1作です。2作とも昨年、図書館にリクエストしていたのですが、受賞後作のほうが先に届きました。 この本は女性科学者を表彰する猿橋賞に名前を残す、地球化学者の猿橋勝子さんの生涯を物語にしたものですが、架空の人物や出来事も交えたフィクションだと、あとがきに記されています。 ちょうど翠雨(=青葉に降り注ぐ雨)のころに手にできたのはいいタイミングでした。装丁に使われている紫陽花は猿橋さんの好きな花として、文中に何度も出てきます。 地球化学者として、地道な研究に力を注ぐ猿橋さんの努力は報われるのですが、そうスムーズではありませんでした。 …