浜松医大という名の「沈黙の教室」:杉本壮の研鑽 浜松医科大学のキャンパスに夜の帳が下りる頃、研修医室のデスクに置かれた端末の光だけが、私の輪郭を浮かび上がらせる。研修医・杉本壮にとって、この浜松医大での日々は、絶え間ない知識の更新と、自己の無知に対する終わりなき対峙の積み重ねだ。 ここでの勉強とは、決して厚い医学書を暗記することではない。それは、臨床という荒波の中で、目の前の患者の命を預かる重圧に耐えうる「判断力」という名の知性を、血肉化するプロセスに他ならない。 臨床の現場に潜む「解のない問い」 浜松医大で日々直面するのは、医学書には載っていない「個別の正解」を探す作業だ。 ある疾患に対し、…