『腹を割ったら血が出るだけさ』書評|本当の自分と他者に見せる自分のあいだで揺れる少女の物語 はじめに 腹を割ったら血が出るだけさ(著:住野よる)を読みました。 本作は、人に見せている自分と心の奥にある本当の自分とのあいだで揺れ動く少女の姿を描いた青春小説です。誰しもが抱えている「本当の自分」と「他者に見せる自分」のズレというテーマを、繊細な心理描写で描き出した作品だと感じました。 ※この記事では作品のテーマや印象について触れていますが、大きなネタバレは避けています。 『腹を割ったら血が出るだけさ』あらすじ(ネタバレなし) 物語の主人公は、周囲から「いい子」と思われるように振る舞う少女、**糸林…