1949年生まれ。奈良県出身。 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。社会思想、政治思想に関する著述が多い。 西部邁が主幹の月刊誌『発言者』編集長を2005年4月廃刊号まで務める。『表現者』顧問。 1985年に『隠された思考―市場経済のメタフィジックス』ISBN:4480080503芸賞思想・歴史部門受賞。
シリーズ 16歳からの教養講座高校生のための人物に学ぶ日本の思想史佐伯啓思 編著公益財団法人 国際高等研究所 高橋義人 監修ミネルヴァ書房2020年12月25日 初版 第1刷発行 丸山眞男 の『日本の思想』を読んでいて、もっと日本の思想についてわかりやすいものはないかなぁ、とおもって、図書館で「日本の思想」で検索したら出てきた本。借りて読んでみた。 編著の佐伯さんは、1949年生まれ。 東京大学大学院経済学研究科理論経済学専攻博士課程単位取得退学。京都大学大学院 人間・環境学研究科教授を経て、 京都大学名誉教授。京都大学 心の未来研究センター 特任教授。 監修の高橋さんは、 1945年生まれ。…
文学部にいたとき、市民という言葉に歴史的背景があることを知りました。その関連文献を紹介します。 「市民」とは誰か | 佐伯啓思 | 書籍 | PHP研究所 「近代市民社会の概念規定に関する考察」 金沢大学学術情報リポジトリKURA →西洋史の研究が市民概念を見直すのにも役立つ 市民概念に関する一考察 (小野) ここで引かれるポーコックは、思想史で有名らしく、 保守のアポリアを超えて 共和主義の精神とその変奏|書籍出版|NTT出版 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで | 刊行物 | 東アジア藝文書院 | 東京大学 でも引かれています。 メトイコイ - Wikipedia 以上です。
▼佐伯啓思は、「異論のススメ スペシャル」(朝日新聞、2024/6/29)で、プーチンの思想に理解を示し、その熱意を擁護した後(侵略者でも「強烈な歴史意識」があれば評価するようです)、一神教の歴史意識と日本を比較して、次のように述べていました(結論部の文章です)。 「幸か不幸か、われわれの歴史意識は、一神教の世界が生み出した強烈な歴史意識とはまったく違っている。日本の歴史意識の希薄さをわれわれは自覚すべきであろう。と同時に、21世紀においてもなお一神教的世界が作り出した歴史観が世界を動かしていることをも知るべきである。」 ▼このような主張は、「異論」どころか、たびたび聞かされてきました【*1】…
《彼等〔=ユダヤ〕はこの3つの媚藥〔=スポーツ・セックス・スクリーン〕を、攻略せんとする國民の眼の前へ突き出しておいて、それに夢中にさせる。この夢中になるといふことは、その裏でこつそりと行ふ彼等の陰謀を氣づかせないことにもなる。またこの媚薬のために國民性を堕落させることも出來る。更に國民が夢中になることに依つて、莫大な金が彼等の懷へ入つても來るのである》(神田計三『覆面の敵 ユダの挑戦』(六合書院):国立国会図書館デジタルコレクション、p. 324) 今では「映画」は「テレビ」に取って代わられたが、「3S政策」は今なお健在である。大衆は、テレビを見ることによって骨抜きにされてしまっている。最近…
今回は、周回遅れではあるが、「ジャニーズ問題」を取り上げる。今更ながらこの問題を取り上げるのは、佐伯啓思氏のコラムを目にしたのが切っ掛けだ。 そもそもの問題は、故ジャニー喜多川氏によるジャニーズ事務所所属タレントへの「性的加害」である。が、ジャニー氏が亡くなってからこれが問題となったのは何とも味が悪い。勿論、生前このようなことを告発しても、もみ消されるのが落ちであろうし、少なくとも芸能界に居られなくなってしまうであろうから、普通は躊躇(ちゅうちょ)するに違いない。が、相手が死亡し反論できない状態になって、一方的で検証不能な意見を述べるのは、潔くないと言われても仕方がない。 もともとジャニー氏に…
進むべき道が見えなくなった 佐伯啓思さんが考える日本の現在地:朝日新聞デジタル いきなり山本七平氏が「日本人とユダヤ人」の著者と書いてあっておっとおもったりしましたが、まあそれはもう当たり前の知識なんでしょうかね。 ということで、内容ですが、かっこをつけて「神」と書かれていますが、たしかに西洋の神は定義されてその信仰は告白されて初めてそのひとの神ということが公にも認められるという仕組みであります。しかし、日本の明治、大正、昭和天皇はそういった神学的な定義はなく、ただ、万世一系とか天皇の赤子とかそういった言い方で国民との関係を”信じて”いたのでしょう。ちなみにそのツールの中には”教育勅語”もあっ…
1年前の朝日新聞のオピニオン記事だけど読み返しても面白い。 ①佐伯啓思は ②「資本主義」は否定的な語 ③「資本主義」は「市場経済」とは違い資本の自己増殖運動 ④しかしフロンティアは限界 ⑤問題は近代人の欲望 ⑥参考 ①佐伯啓思は 保守派の思想家と言われるが、単に知識の多い学者というより、左右の知識を元に自分自身の意見を語る感じで、納得できない主張も多いが、視点を発見できるのは楽しい。 例えば、トランプ・プーチン・エルドアンなどの権威主義的政権の登場を「民主主義への脅威というより、民主主義が効きすぎている」などと言う。 この場合の「民主主義」は、自由な市民による議論という自由主義的な意味では無く…
陰暦八月初二。早朝より雨(32.5mm)。気温摂氏19.7/24.6度。夕方に雨が歇み晴。晩七時半すぎにドン!と花火の音がして(陋宅からは見えないが)千波湖の方で8月の終はりの花火かと思つたが音が何だか違ふ方角からで水戸消防署の花火打上げ情報を見たら那珂川の河川敷(渡里)だといふ。その方角なら!と西北向きの風呂場の窓から崖下の那珂川の上流を見たら確かに花火がいくつも続けて上がる。株式会社東武架設なる建築関連会社の社員家族や関係者集めての夏祭り(TOBU納涼祭)の由。消防署の花火情報には他にも結婚式場での披露宴での花火打上げとかも記載あり。 出先で放置プレイの結果ずいぶんと弱つてゐたハイビスカス…
www.asahi.comをよみました。 佐伯さんの論説で違和感があったのが、容疑者が安倍氏をねらったことのつながりはないということをいっていたことです。佐伯氏の論調で言えば、おそらく保守とはどちらかというと容疑者にとっては、日本という国の中でマイノリティとして攻撃的な活動をしている統一教会(協会)から自分たちを守ってくれるものであったのではないでしょうか。それがはっきりと違うことがわかったことで、例えば新聞に投書するなどということをやってもおそらくは何も変わらないという絶望からあのような行動にでたということではないでしょうか。そうするとそこには論理的なつながりがあって、決して説明がつかないこ…
[ BooksChannel 厳選本 : 評論家 思想家 | 2021年08月19日号 | 中野剛志 編 Part2 | 2008年~2022年 共著: 編著: 共訳書: 監修: 解説: 論文 | 自由貿易という幻想 危機の思想 反動世代 まともな日本再生会議 ブラック・デモクラシー 民主主義の罠 国家のツジツマ 他 | #西部邁 #佐藤建志 #藤井聡 #適菜収 柴山桂太 エマニュエル・トッド 佐伯啓思 施光恒 他 他 | 中野剛志 評論家 1971年生まれ。元・京都大学工学研究科大学院准教授。専門は政治経済思想。96年に東京大学教養学部(国際関係論)を卒業、通商産業省(現・経済産業省)に入省…
放送大学で「アメリカ史」を学ぶ際の参考図書として、『新「帝国」アメリカを解剖する』(佐伯啓思著:ちくま新書)を読了しました。古書店の書棚で偶然見つけたもので、発行年月日も古いですが、十分に役に立ちました。 その一つが、アメリカの重要な思想伝統の「リベラリズム(自由主義)」についての記述です。・ヨーロッパとアメリカにおいて、リベラリズムの意味内容が異なっている。 特にイギリスにおいては、リベラリズム(自由主義)は、「マンチェスター学派」の唱えた 市場経済の自由競争、自由貿易などのイデオロギーと結びついたある特定の階級的利益を想起させる。 それは、より上層の貴族的精神(ノブレス・オブリージュ)をも…
昨日の続きです‥。10月18日(金)の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、石牟礼道子さんの「断念は、しかし一人の人間が死ぬ時は飲みこんで死にますけれど、それはなんとなく伝わっていくんです。」という「ことば」で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。 『「受難の一生」だった母。ただただ耐えて、発狂もせず、首も括(くく)らず、人も殺さず、 「どんなにか辛(つら)かったろう」と詩人・作家は言う。 誰にも言えず、己が胸にしまうほかないことが、人には無数にある。 それがかろうじて伝わるのは、歌というか「死ぬ間ぎわの声音」によってだと。 鶴見和子との共著「言葉果つるところ」(新版)か…
(2024/10/16) 『アベノミクスは何を殺したか』 日本の知性13人との闘論 原真人 朝日新書 2023/7/13 ・この国にたまる、巨大な崩壊のマグマ。残された選択は、アベノミクスからの脱却しかない! 財政悪化をものともせず、国の借金を膨らませ、日銀の紙幣発行を「打ち出の小槌」のように扱う……。なぜこれほど異端で、危険な政策が10年超も続けられたのか。 <はじめに> ・アベノミクス生みの親の安倍は選挙遊説中に襲撃され、命を奪われた。その不穏な時代の空気も、戦前的な政策のありようも、今なお続いている。 言論への執拗な攻撃は、私だけに起きた特別な出来事ではない。 <すべてはクルーグマンから…
朝日新聞 10月2日より (異論のススメ スペシャル)自民党は保守なのか 佐伯啓思 今日の新聞より発足の石破内閣が地位協定改定に意欲を示していることがでていました。佐伯啓思氏の「自民党は保守なのか」の記事も興味深く読みました。政治学者高坂正堯の言っている保守主義の潜在的価値を変え国力の強化が出来るでしょうか。 以降 新聞より転載。 9月27日の自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に決定した。ふりかえってみれば、今回の総裁選は、安倍派内部の不適切な政治資金処理からはじまり、やがて「政治とカネ」および「派閥」という自民党の体質が問われ、党改革や政治改革がひとつの論点となった。 その意味では、従来の派閥に…
2024年10月31日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,071点(セット版を除く)をあげた。文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら→ちくま学芸文庫M&S刊行書目一覧 最新版 - karumerabunkoのブログ 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 読書家の皆さまには それぞれの個性があると思います。 どんなジャンルの本を読むのか? どのように読むのか? どのくらいのスパンで読むのか? もちろん私にもいろんな個性がありまして 代表的なところで言うと ・できるだけジャンルは幅広く ・様々な人の本を読む ・同時並行で2冊読む こんな傾向があります。 こればかりはいいとか悪いの話しではなく 個性としかいいようがありません。 まあ読書を楽しみながらできて それでよい勉強になるならば いろんな方法があって良いですよね。 逆に言うと 読…
<産経抄>選手の名言で振り返るパリ五輪 - 産経ニュース 「勝利を祖国に捧げる」。 「選手は五輪で国家を背負うべきではない」としたり顔で論じる識者の耳に、ウクライナのメダリストの言葉はどのように響くのか。 「ロシアのウクライナ侵攻が無ければそんなことを言わずに済んだろうに。ある意味可哀想」としか思いませんが。 なお、「国(例えば女性のスポーツ参加に否定的なアフガン・タリバン政権)から迫害された難民で構成する難民選手団(拙記事しんぶん赤旗ニュース(2024年7/31~8/13日分) - bogus-simotukareのブログ参照)」や「日本育ち(長野育ち)で日本代表を目指したがかなわず、カナダ…
2019年4月9日(火)、財務省は新しい日本銀行券(紙幣)及び五百円貨幣を発行すると発表しました。このうち紙幣は2024年7月3日に発行され、新一万円券の表には渋沢栄一の肖像が掲載されました。ここでは、渋沢栄一に関する主な記事をまとめました。 渋沢栄一記念財団 募集イベント3「 データビジュアライゼーションの最前線」- 都知事杯オープンデータ・ハッカソン 2024 #都知事杯オープンデータハッカソン #Tokyo_ODH #オープンデータ #ハッカソン - 〔YouTube - 2024年7月6日〕https://www.youtube.com/live/7VOdBeycVjw データの可視化…
気温摂氏20.6/27.3度。薄曇。ポテチに目がない。三方原ポテトチップス 湖池屋公式通販 でポテチが届く。 天皇皇后訪英より帰国。英国の女王陛下偲び女王が好きだつたデュボネとジンのカクテルをいたゞく。 感の良いショウジョウバエが飛んで来てグラス🍸の縁にとまつたと思つたら泥酔したやうで飛ぶに飛べず。 佐伯啓思「民族のものがたり」の壁 :朝日新聞 (以下、メモ)歴史とは自民族や自国民についての「ものがたり」であり、多くの場合その民族の起源や共通の記憶と不可分。民族の起源が宗教や神話にまでさかのぼれば歴史意識のうちに宗教や神話の残影が見え隠れ。この意味での「歴史意識」こそが時には容易に和解しえない…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 日本にとって、中国や朝鮮は古代から敵であり、ロシアは江戸時代後期から敵であった。 歴史的事実として、日本の戦いは積極的自衛戦争で、敵はアメリカやイギリスではなくロシア、中国、朝鮮の三カ国であり、宗教のキリスト教とイデオロギーのマルクス主義・共産主義であった。 地政学や戦争学からすれば、北東アジア情勢は今も昔も変わらない。現代日本人は昔の日本民族とは違ってその現実が理解できない。 ・ ・ ・ 歴史的事実として、ロシア、中国、朝鮮は好戦国であり、日本は反戦国でも厭戦国でもなく避戦国であ…
絶望の果ての戦後論 文学から読み解く日本精神のゆくえ (クライテリオン叢書)作者:浜崎 洋介啓文社書房Amazon 突然ですが、来る5月31日、『絶望の果ての戦後論—文学から読み解く日本精神のゆくえ』(クライテリオン叢書、啓文社)が発売になります! 本書は、連載当時から好評だった「対米従属文学論」(藤井聡氏×柴山桂太氏×川端祐一郎氏×浜崎に、時々、富岡幸一郎先生に参加頂いて成った座談会/『表現者クライテリオン』2018年~2020年連載)に、この座談会が始まる直前に書いた拙稿「観念的な、あまりに観念的な——戦後批評の『弱さ』について」(『すばる』2018年1月号初出)を増補して書籍化したもので…
一 私は家内が亡くなった年の10月に「生と死」という文章を書いた。あれから約4年経った。先日萩市に住む友人がこんなことを言った。 「直ぐ近くの人が亡くなったが少しも知らなかった。小さい時からよく一緒に遊んだり話したりして付き合っていたのに。最近どうも見かけないからどうしたのかと思っていた。後で聞いたら家族葬とかで身内だけでこっそり行ったとか」 このような話を私も耳にしたことがある。戦後、核家族とかで隣近所の付き合いが激減した。特に団塊の世代というから今75歳以後の者たちは、戦後の景気の良さに惹かれて高校・大学を卒業すると、田舎には留まらずに皆都会へ出て働いた。そのために彼らは殆ど職場結婚などを…