1949年生まれ。奈良県出身。 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。社会思想、政治思想に関する著述が多い。 西部邁が主幹の月刊誌『発言者』編集長を2005年4月廃刊号まで務める。『表現者』顧問。 1985年に『隠された思考―市場経済のメタフィジックス』ISBN:4480080503芸賞思想・歴史部門受賞。
佐伯啓思氏がウエルビーイングについて書いた論考を読みました。 ちょっとイマイチな感じでありました。 日本人は米国人などにくらべて、負けても平静のようなことが書いてあったと思いますが、しかし、今の日本ではむしろ勝ち負けにこだわるのは日本人ではないでしょうか? 野球なども高校野球で負けたら終わりのようなトーナメントばかりやるのもそのような国民性の表れではないかと思います。また、なんといっても戦争でパールハーバー作戦などは勝ちにこだわっているのではないかと思うのですが。 さらにいうと、自民党の総裁選でも、昨年負けた側は、とにかく捲土重来を期して、いろいろとやっていたのではないでしょうか。 ということ…
乙巳年八月十六日。摂氏18.3/24.7度。曇。台風の余波か風強し(最大11.5m)。 消費税減税や給付金、「政治とカネ」こそが今日、日本国民にとって政治の方向を左右する死活問題。確かに「政治は庶民のものとなった」ともいいうるが、ここまで「庶民のもの」となってもよいのか……と佐伯先生らしい疑ひから始まる論考。(以下、要旨) 今回の参議院選挙で目立ったのは参政党の大躍進。今回の選挙において参政党だけがきわめて大きな政治テーマを掲げた。この党の基本的立場は「反グローバリズム」であり日本の諸問題は「グローバリズム」からきていると主張する。「日本人ファースト」も「反グローバリズム」の言い換え。単なる情…
乙巳年六月初八。24.4/34.7度。晴。水府は東京より、それに関東の内陸部に比べ多少涼しいことは御の字だけれども、それも昔なら真夏日になるかどうか、だつたのが今では「猛暑日にならないだけ」である。本日朝、祇園寺で座禅する機会あり。座禅とて冷房のきいた本堂で、となる。年をとつて老いたからか昔に比べると座禅をしてゐて雑念といふものがかなり失せたのは痴呆もあるのかしら。 昨年6月に放送されて見逃してゐたNHK(映像の世紀)の香港特集「百年のカオス」再放送あり。香港の英国統治から国安法の香港までをよくぞ45分にまとめたもの。戦後、中共から香港に押し寄せる難民たち。文革のときの難民のなかにゐた12歳の…
乙巳年三月初四。3.8/9.6度。雨(28.5mm)。晩に強風(18.4m)。なんだかすつかり冬に逆戻り。花冷えなんて風流に言つてゐられない。寒さで身体がすつかりまいつてしまひ栄養つけるには好物で韮と大根おろしの鍋で豚肉を煮て食べる。 トランプ米国総統が関税に関する基本方針近々発表ださうで世界中がそれに戦々恐々のやう。これについて佐伯先生がとても明確な論及をされてゐる。 佐伯啓思「市場経済、剥がされる擬装 」朝日新聞 (要旨)100%の自由貿易などありえないにしても政治による経済への介入を可能な限り排除し民間の自由競争に委ねるのが経済学の説く正解であり自由社会の原則。今日のグローバル経済は自由…
シリーズ 16歳からの教養講座高校生のための人物に学ぶ日本の思想史佐伯啓思 編著公益財団法人 国際高等研究所 高橋義人 監修ミネルヴァ書房2020年12月25日 初版 第1刷発行 丸山眞男 の『日本の思想』を読んでいて、もっと日本の思想についてわかりやすいものはないかなぁ、とおもって、図書館で「日本の思想」で検索したら出てきた本。借りて読んでみた。 編著の佐伯さんは、1949年生まれ。 東京大学大学院経済学研究科理論経済学専攻博士課程単位取得退学。京都大学大学院 人間・環境学研究科教授を経て、 京都大学名誉教授。京都大学 心の未来研究センター 特任教授。 監修の高橋さんは、 1945年生まれ。…
文学部にいたとき、市民という言葉に歴史的背景があることを知りました。その関連文献を紹介します。 「市民」とは誰か | 佐伯啓思 | 書籍 | PHP研究所 「近代市民社会の概念規定に関する考察」 金沢大学学術情報リポジトリKURA →西洋史の研究が市民概念を見直すのにも役立つ 市民概念に関する一考察 (小野) ここで引かれるポーコックは、思想史で有名らしく、 保守のアポリアを超えて 共和主義の精神とその変奏|書籍出版|NTT出版 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで | 刊行物 | 東アジア藝文書院 | 東京大学 でも引かれています。 メトイコイ - Wikipedia 以上です。
▼佐伯啓思は、「異論のススメ スペシャル」(朝日新聞、2024/6/29)で、プーチンの思想に理解を示し、その熱意を擁護した後(侵略者でも「強烈な歴史意識」があれば評価するようです)、一神教の歴史意識と日本を比較して、次のように述べていました(結論部の文章です)。 「幸か不幸か、われわれの歴史意識は、一神教の世界が生み出した強烈な歴史意識とはまったく違っている。日本の歴史意識の希薄さをわれわれは自覚すべきであろう。と同時に、21世紀においてもなお一神教的世界が作り出した歴史観が世界を動かしていることをも知るべきである。」 ▼このような主張は、「異論」どころか、たびたび聞かされてきました【*1】…
《彼等〔=ユダヤ〕はこの3つの媚藥〔=スポーツ・セックス・スクリーン〕を、攻略せんとする國民の眼の前へ突き出しておいて、それに夢中にさせる。この夢中になるといふことは、その裏でこつそりと行ふ彼等の陰謀を氣づかせないことにもなる。またこの媚薬のために國民性を堕落させることも出來る。更に國民が夢中になることに依つて、莫大な金が彼等の懷へ入つても來るのである》(神田計三『覆面の敵 ユダの挑戦』(六合書院):国立国会図書館デジタルコレクション、p. 324) 今では「映画」は「テレビ」に取って代わられたが、「3S政策」は今なお健在である。大衆は、テレビを見ることによって骨抜きにされてしまっている。最近…
今回は、周回遅れではあるが、「ジャニーズ問題」を取り上げる。今更ながらこの問題を取り上げるのは、佐伯啓思氏のコラムを目にしたのが切っ掛けだ。 そもそもの問題は、故ジャニー喜多川氏によるジャニーズ事務所所属タレントへの「性的加害」である。が、ジャニー氏が亡くなってからこれが問題となったのは何とも味が悪い。勿論、生前このようなことを告発しても、もみ消されるのが落ちであろうし、少なくとも芸能界に居られなくなってしまうであろうから、普通は躊躇(ちゅうちょ)するに違いない。が、相手が死亡し反論できない状態になって、一方的で検証不能な意見を述べるのは、潔くないと言われても仕方がない。 もともとジャニー氏に…
進むべき道が見えなくなった 佐伯啓思さんが考える日本の現在地:朝日新聞デジタル いきなり山本七平氏が「日本人とユダヤ人」の著者と書いてあっておっとおもったりしましたが、まあそれはもう当たり前の知識なんでしょうかね。 ということで、内容ですが、かっこをつけて「神」と書かれていますが、たしかに西洋の神は定義されてその信仰は告白されて初めてそのひとの神ということが公にも認められるという仕組みであります。しかし、日本の明治、大正、昭和天皇はそういった神学的な定義はなく、ただ、万世一系とか天皇の赤子とかそういった言い方で国民との関係を”信じて”いたのでしょう。ちなみにそのツールの中には”教育勅語”もあっ…