>ひこばえ なぜ切株に興味を持つようになったのか、と自問してみると、日ごろからよく考えている「生と死」への関心にたどり着く。せっかく育ってきた大木の生命を打ち切られた姿をよくよく見ていると、なんだか自分の死を象徴しているようにも見えるが、その一方、傍らに新しい生命が生まれつつあるのを見ると、なんだか人生の大きなサイクルを感じさせる。 人智学は、カルマという言い方で、人生の長い長いサイクルを認識する学でもあるのだが、その点で仏教と共通するものがある。蘖を見ながら、そんなことを思ってしまった。 蘖で思い出した俳句に、室生犀星が詠んだ「そのかみのひとおもほゆるひこばえに」と「ひこばえに哀をいひて別れ…