石への興味というものは、あまり共感を得られないのだろう。 その昔、高校の修学旅行で山口の秋芳洞に行ったことがある。所謂鍾乳洞で、つららのように垂れ下がった鍾乳石を見ることが出来る。お土産に、私は切り出した鍾乳石を買った。見目鮮やかな橙色で、こぶし大くらいの大きさだったが、その割に重量感はなく、洋菓子のような層構造が美しかった。私はそれをうっとりする気持ちで眺めていたのだが、親には随分馬鹿にされたものだった。「文鎮にしかならない」と言われた記憶がある。さて、あの石は今どこにあるのだろう。捨てるにしても、何ゴミで捨てれば良いのだろうか? そう思うと矢張り、石集めというのは厄介な趣味なのだろう。 石…