人の心の悩みを受け止め、それを救済するというのが宗教の建前ですが、その本音となれば、葬祭以外に重要だった一つが鎮護国家思想です。仏教は国家を守り、安定をもたらすものであるというのが鎮護国家思想で、これは仏教だけでなく、神道にも同じように成り立ちます。国の運営に寄与・貢献するのが宗教の役割という考えは日本だけでなく、世界中にあり、宗教が私たちの生活を左右してきました。 自らを毘沙門天の化身と信じ、戦いの天才として、武田信玄と何度も激闘した酒豪謙信にとって、宗教は何より自らの信仰を意味していましたが、上杉藩にとっての宗教は鎮護の手段でした。鎮護国家思想によって「国家の運営」と「仏教(や神道)の信仰…