私は結婚直後、25歳のときに病気が見つかり、手術を受けた。その際、輸血によって肝炎になり、大学病院に半年間入院することになった。 当時は、今とは違って有効な治療法もなく、医師からは「25年後に肝硬変になる確率は85%です」と告げられた。 退院後も通院を続ける中で、私は度々、不安を医師に打ち明けていた。 そんなとき、担当医が微笑みながらこう言った。 「心配はわかるけど、25年先のことよりも、明日交通事故に遭うかもしれないでしょ。そっちのほうが、よっぽど怖いよ。」 その言葉は心に染みた。物事の捉え方ひとつで、人はこんなにも気持ちが軽くなるのか。そう思った。 それは私にとって、「どうやってこの不安と…