認知症の実態を知る 高齢化社会が加速する日本において、認知症はもはや“遠い誰かの話”ではありません。 親のこと、配偶者のこと、あるいは自分自身の将来。 いつか直面するかもしれない「介護」の現実は、私たちの生活のすぐ隣にあります。 南杏子さんの小説『アルツ村』は、そうした現代の“見て見ぬふり”をされがちなテーマに真正面から切り込んだ、社会派ヒューマンドラマです。 物語としてもミステリー的なスリルがあり、最後には驚きの展開が待ち受けている構成は、単なる問題提起に終わらない強さを持っています。 今回はこの小説のあらすじとともに、認知症がいかに“身近な病”となっているのか、自身の介護体験も交えて掘り下…