福岡と、玄界灘に浮かぶ美しい島々、壱岐・対馬。これらの島々の人々の生活、文化、そして経済を100年以上にわたって結びつけてきた「海の道」があります。それは、九州郵船株式会社が運航する定期航路です。生活物資を運び、人々を運び、時には救急患者を運び、島の郵便物を届ける。その航跡は、まさに離島の生命線そのものです。燃油価格の高騰や離島の人口減少という、海運業にとって決して追い風とは言えない状況の中、この社会に不可欠な使命を担う老舗海運会社は、いかにして安定した航海を続け、利益を確保しているのでしょうか。今回は、大正9年創業の九州郵船株式会社の第152期決算を読み解き、その巧みな経営手腕と未来への航路…