訓読 >>> 2422石根(いはね)踏むへなれる山はあらねども逢はぬ日まねみ恋ひわたるかも 2423道の後(しり)深津(ふかつ)島山(しまやま)しましくも君が目見ねば苦しかりけり 2424紐鏡(ひもかがみ)能登香(のとか)の山も誰(た)がゆゑか君来ませるに紐(ひも)解かず寝(ね)む 2425山科(やましな)の木幡(こはた)の山を馬はあれど徒歩(かち)ゆ吾(あ)が来(こ)し汝(な)を念(おも)ひかね 要旨 >>> 〈2422〉大きな山で隔てられている山ではないが、逢えない日が続くので、ずっと恋い焦がれてばかりいる。 〈2423〉備後の国の深津島山、その”しま”ではないが、ほんの”しばし”の間もあ…