正徳4年10月20日。卯半(午前6時)、猪股小平七の長屋・本屋が残らず焼失する。博奕の宿をやっており、夜な夜なけんどんをたくさん取り寄せ、かつ2人の娘を次の間に寝かせ、みだらなことをして金を取る。近頃もある者が70両を負ける。座の中に30両勝った者はいたが、40両はなくなる。これは2人の女に取らせたものか。未(午後1時)過ぎ、髪を結いにやって来て、いつもの帷子を着せ、麻上下を着せ、自ら伊勢道中付(道中記)をした扇と数取と昨日切った母の髪を入れる。この他は何も入れずに父親を棺に入れる。申(午後3時)頃、善篤寺の僧愚詔がやって来て剃刀を当る真似をし、棺を閉ざす。夕暮れ、出棺する。文左衛門、久次・友…