温泉の地図記号の変遷を見ていると、その象徴の仕方が時代とともに変化していることに気づく。かつては泉のように湧き出るイメージだったものが、現在では湯気を表す記号へと移り変わった。これは、人工温泉を含めるための変化だったのだろうか。それとも、視覚的な分かりやすさや記号としての統一性を考慮した結果なのだろうか。特に興味深いのは、湯気が3本に統一されている点である。 むかしの地図記号と地図記号のうつりかわり なぜ湯気は3本なのか。そのデザイン的な効果について考えてみた。人間には、視覚情報をグループ化して認識する傾向がある。偶数のオブジェクトが並んでいると、無意識にペアとして認識し、安定感を覚える。一方…