2024年本屋大賞ノミネート、第4位の「スピノザの診察室」を読みました。 主人公の雄町哲郎はシングルマザーの妹が病死し、その残された妹の子を引き取り、勤めていた大学病院も辞めて、京都の街中にある原田病院(ベッド数48床の小さな地域病院)で消化器内科医として勤めながら、唯一の肉親である甥っ子の龍之介を育てるという、30代にして未婚のシングルファーザー?です。 夏川草介さんの作品は「神様のカルテ」にはじまり、今回の「スピノザの診察室」もそうなのですが一貫して地域医療・看取りの医療をテーマに書かれています。 真面目人間で無類の甘党の内科医は、往診の患者さんとのやりとりも絶妙です。 「妙な言い方になり…