父は、肺がんを患っていました。 遠方に住んでいたこともあり、入院している父のところへは、月に一度くらい様子を見に行っていました。 最初は歩いていた父が、やがて車椅子になり、酸素ボンベも手放せなくなっていきました。 よくなることはなく、少しずつ悪くなっていく父を見るのは、つらいものでした。 そんな中で、私がうれしかったことがあります。 病院食を、全部食べていたこと。 食事がきれいになくなっているのを見ると、 「よかった。食欲はあるんだ」 そう思って、ほっとしていました。 でも、父が亡くなってから、ふと思ったんです。 本当に、おいしく食べていたんだろうか。 もしかすると、私たちに心配をかけまいと、…