【おたまがいけ / 薺池(なずながいけ) / 奈津那ヶ池】2023年3月撮影 入り鉄砲に出女。関所破りと、お玉という奉公少女の悲劇 元禄十五年(1702年)春、街道の石畳を途方にくれて歩くまだあどけない顔の少女がいた。 江戸の奉公先から逃げて箱根までやって来た。お国の伊豆に行くには関所を越えねばならない。しかし「入り鉄砲に出女」・・江戸幕府は箱根を抜ける女、子どもに厳しい目を光らせていた。人質として江戸に住まわせている外様大名の子女の脱出を防ぐためである。 ただ、お玉は大名の子女ではない。農家生まれの奉公人だった。 入り鉄砲に出女。関所破りと、お玉という奉公少女の悲劇 お玉の首を洗った「薺池(…