1. 石綿(アスベスト)の鉱物学的理解 石綿(アスベスト)は「繊維状を呈するケイ酸塩鉱物」の総称であり、鉱物学的には 蛇紋石族(Serpentine) と 角閃石族(Amphibole) に分類される。添付資料にもある通り、石綿は天然に産する鉱物群であり、高い抗張力・耐熱性・耐薬品性を持つため、20 世紀を通じて建材・断熱材・摩擦材などに広く使用された。 ● 1-1. 蛇紋石族:クリソタイル(白石綿) クリソタイル(Chrysotile)は世界で最も使用量が多い石綿で、化学式は Mg₃Si₂O₅(OH)₄。繊維は巻紙状の層構造を持ち、柔軟性が高く、加工性に優れる。日本の建築物における石綿含有建…