訓読 >>> 816梅の花今咲けるごと散り過ぎず我(わ)が家(へ)の園にありこせぬかも 817梅の花咲きたる園の青柳(あをやぎ)は縵(かづら)にすべくなりにけらずや 要旨 >>> 〈816〉梅の花よ、今咲いているように、散り過ぎることなく我らの庭に咲き続けておくれ。 〈817〉梅の花が咲き匂うこの庭園の青柳も芽吹いて、これも縵にできるほどになったではないか。 鑑賞 >>> 天平2年正月13日、大伴旅人の邸宅で催された梅花の宴で、賓客の中で最高位の太宰大弐・紀男人(きのおひと)の歌(815)に続いての歌。作者は、816が、小弐の小野老(おののおゆ)、817が、同じく小弐の粟田人上(あわたのひとか…