訓読 >>> 840春柳(はるやなぎ)縵(かづら)に折りし梅の花(はな)誰(たれ)か浮かべし酒杯(さかづき)の上(へ)に 841うぐひすの音(おと)聞くなへに梅の花(はな)我家(わぎへ)の園(その)に咲きて散る見ゆ 842我(わ)がやどの梅の下枝(しづえ)に遊びつつ鴬(うぐひす)鳴くも散らまく惜しみ 843梅の花(はな)折りかざしつつ諸人(もろひと)の遊ぶを見れば都しぞ思(も)ふ 844妹(いも)が家(へ)に雪かも降ると見るまでにここだもまがふ梅の花かも 845鴬(うぐひす)の待ちかてにせし梅が花散らずありこそ思ふ子がため 846霞(かすみ)立つ長き春日(はるひ)をかざせれどいやなつかしき梅の…