屋久島のモッチョム岳に登り立ちはるか平らの種子島見ゆ 4月に詠んだ歌(後半) 眠りこけ終点に着き折り返し元の駅まで戻りし友よ 乙女から若妻になり母になりずっと見てきた二人の時代 晩春の法円坂を登りゆく女子学生の歩みゆったり 吉野家の機械で注文するよりもひと声ですむ「大盛り一つ」 持ち帰る仕事を命じ付き合えと酒席に誘う昭和の上司 朝いちに提出をしてさりげなく受け取る顔は言葉なくとも 褒めもせず礼の言葉もないけれどそれが昭和の職場風景 万葉の面影見ゆる鞆の浦波おだやかに海人の釣り船 人の名は世界でいちばん短い詩だから漢字は大事にしたい 改めて読み返すたび新しき発見のある良書は楽し だんだんと記憶薄…