○よく似たふたり 盆栽が生きるのは鉢の中。 鉢に入れられた樹は、ほしいままに根を伸ばすことも出来なければ、それによってぐんぐん一人で伸び出すこともままならず、ちょっと陽気が好ければ、いつだって水切れの危機と隣り合わせの状態です。鉢に入っていることは、樹の生育にとって寧ろマイナスの要素が大きいのです。 だからそこには、鉢に入れた張本人である人間の手が入らなければなりません。根は詰まっていないか、他の枝の生育を脅かすほど徒長している枝はないか、さっき水はやったけれどもう乾いている鉢はないか。自分でやったことの責任を取るのは当たり前、と捉えることもできましょうが、盆栽を育てる人は少なくとも、こうした…