こんなセリフを今も覚えている。娘がよく言っていた。「ねぇママ、お願いだからさあ、ソース焼きそばをお弁当のおかずにいれるのはやめるか減らしてくれる?」と。 「なんでかなぁ?あれ入れるとお弁当箱のスペースが埋まるし、おなか持ちも良いでしょ」」と意に介さない。ママと呼ばれた小柄な小母さんは気配りはするがあまり細かいことは気にしない、しかもすぐに忘れる。なんでも笑って済ませてしまう。娘は続ける。「あれね、固まるの。お箸さすと団子みたいにボロっと取れるの」 女の子は仲間でお弁当を食べる。その際にポロリとセメントがはがれるように塊で中身が出るのは恥ずかしい。それにかぶりつくのは更に嫌だ、そう娘は心を明かし…