私は本を作るのが仕事で、内容だけでなく表現にも気を使う。読みやすく分かりやすい表現にするのはもちろんなのだが、中には「それは別にいいんじゃない?」という指示が飛んでくることもある。 例えば「表記の統一」と呼ばれるものがそうだ。これは日本語の表現とか漢字/ひらがなの使い分けを一冊の本の中で統一することなのだが、別に辞書を作っているわけではないので、多少の不統一があっても全く問題ないことが多い。しかし多くの出版関係者は「表記が統一されていない本を発行するなど恥ずかしいことだ!」というプライドをお持ちなので、こちらもそれに合わせざるを得ない。不統一を直すのにはかなり手間がかかるのだが、別に内容は変わ…