訓読 >>> 1776絶等寸(たゆらき)の山の峰(を)の上(へ)の桜花(さくらばな)咲かむ春へは君し偲(しの)はむ 1777君なくはなぞ身(み)装(よそ)はむ櫛笥(くしげ)なる黄楊(つげ)の小櫛(をぐし)も取らむとも思はず 要旨 >>> 〈1776〉たゆらきの山の頂の桜が咲く春になったら、あなた様をお偲びいたしましょう。 〈1777〉あなた様がいらっしゃらなければ、どうして私は身を飾り立てましょうか、化粧箱の黄楊の櫛さえ取ろうと思いません。 鑑賞 >>> 播磨娘子(はりまのをとめ)の歌2首。播磨娘子は播磨国の遊行女婦(うかれめ)かといいますが、伝未詳です。ここの歌は、石川君子(いしかわのきみこ…