宝永5年8月10日。昼過ぎ、伝左へ出かける。少し前からの覚えを書いて小頭に遣わす。酒や食べものを頂く。近頃、美男で幸左衛門兄である千村源兵衛の甥が江戸で少し前に伯父の妻を犯して勘当となりこの地にやって来ていた。源兵衛のところに世話になっていたが、又源兵衛が江戸留守の間にその妻と通じた。このことが露見し、源兵衛が戻る2日前に逐電し、江戸で潜伏した。内緒で探そうとして報告が遅れたので源兵衛は指こみ(鎖籠)にあうと。その後、もう探さなくてよいと決着する。文左衛門改名の書付の覚。朝日文左衛門。替名 朝日定左衛門。右の通り名を改め、父の名定左衛門を名乗りたく願う。富永彦兵衛様によろしくと申し上げ、下され…