「地雷グリコ」で昨年のミステリ関連の賞を総なめにした青崎有吾さんの日常の謎ミステリ短編集。ページ数も少なくさらっと読めるけど、意表を突く仕掛けが施されており、印象に残る作品だった。 早朝始発の殺風景 作者:青崎 有吾 集英社 Amazon 本書は2019年刊行。各話はそれぞれ独立しているが、千葉県にある架空の市・横槍市の学校に通う高校生が主人公である点で共通している。 早朝始発の横槍線にたまたま乗り合わせたクラスメートの男女が、その理由を探りあって駆け引きを繰り広げる表題作をはじめとして、高校生の日常にあらわれるちょっとした謎解きを行う。 基本的には、高校生たちによるゆるく楽しい会話劇である。…