小説家。ミステリ作家。男性。金沢大学文学部卒業。 座右の銘は、『性格を持たないとき、人はたしかに方法を身につけなければならない』
1978年 岐阜県生まれ。 2001年 『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞を受賞し,角川スニーカー文庫からデビュー。 2011年 『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞を受賞。
*1:当初は角川《スニーカー・ミステリ倶楽部》
*2:当初は角川《スニーカー・ミステリ倶楽部》
今日は昼から阪神タイガースのオープン戦をテレビで見ています。 高校野球も始まるし、いよいよ野球シーズン。 お相撲も今日からだし、もりっちゃんはわくわくしています。 「Iの悲劇」(米澤穂信 著)を読みました。 米澤氏の作品は結構読んでいると思いますが、これは初読。 タイトルの「I」は、IターンのIです。 出身地や故郷に戻って生活することをUターンという一方、 所縁のない土地に移住することをIターンという。 人口減少で過疎に悩んでいる自治体が、補助金を出して Iターン移住者を募集し、活性化を狙っている例が現実にもある。 「Iの悲劇」では、南はかま市という架空の市が Iターン支援推進プロジェクトをす…
米澤穂信「米澤穂信と古典部」中国版(新星出版社) 小説家の米澤穂信先生のファンブック、「米澤穂信と古典部」の中国版が発売になりました。〈古典部〉シリーズについての本です。2017年にKADOKAWAから発売された本の翻訳版・中国語簡体字版となります。私は、米澤穂信先生のお仕事場のイラストを描いています。 ↓日本語版はこちら www.kadokawa.co.jp 米澤穂信と古典部 「古典部」シリーズ (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 発売日: 2017/10/13 メディア: Kindle版 ちなみに、日本語版のページと原画はこんな感じです。 「米澤穂信と古典部」(KADOKAWA) ↓こう…
米澤 穂信さんの「満願」。 2014年の「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、「このミステリーがすごい!」で1位を獲得し、史上初の3冠に輝いた作品。 「儚い羊たちの祝宴」では独特の世界観が描かれていましたが、本作は、交番勤務の警察官や、バングラデシュに眠る天然ガスの採掘を画策する商社マン、ドライブインなど、もっと現実的な世界が描かれた6つのお話で構成される短編集です。 「夜警」では、あるベテランの警察官が、配属された新人の巡査が警察官としての資質を欠いているという印象を抱く。その不安は的中し、刃物を持って暴れる男性が暴れている現場で相手を射殺してしまい、自身も切りつけられ…
米澤 穂信さんの「儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)」。 夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」を共通点とした5つの事件が描かれた短編集。 Twitterで評判が良かったのですごく期待して読んだのですが、一話目を読み終えた時には、正直なところ、「う~ん」という感じでした。しかし、読み進めて行くと、手記のような文体で淡々と語られるダークな世界観に引き込まれていきました。 「バベルの会」がキーワードとして登場するものの、あまり繋がり感を感じることなく進むのですが、最終話できちんとつながります。ちょっと怖いですが、印象に残る作品でした。 また、私は一度読んだだけでは理解しきれず、ネットで解説を…
皆さん、こんにちは。 コロナで海外旅行に行けなくなり、はや一年。 いつになったら、行けるようになるのやら。 私は出張、プライベート含めて、年1は海外渡航してました。 出張はアジアが主で中国(大連、上海、北京、深セン)、香港、タイ、アメリカ(ニューヨーク、シカゴ、シアトル、サンフランシスコ)。 プライベートは王道のハワイ、グアム、バリ、ラスベガス〜LA、タイ、パラオ、イタリア。 何度か訪れたのは、ハワイとバリですかね。 ハワイの良さは皆さんご存知として、バリ島は二度、渡航しました。 1回目は20日間ほどで、島内の安いコテージを5人で点々とした珍道中でした(初日にレギャン通りの飲食が停電に!)。 …
83.儚い羊たちの祝宴/米澤穂信 バベルの会とは、幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域なのです。(p.288) 儚い羊たちの祝宴(新潮文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2014/11/28 メディア: Kindle版 夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」を軸に、五つの物語がそれぞれの章の語り手によって優雅に、そして無慈悲に語られる、米澤穂信の短編ミステリ―。 五つの物語はどれも高貴な一族や富豪が過ごす屋敷や別荘を舞台にして、そこで起きる不可解な出来事や事件が語り手の独白のような形式で展開される。 語り手となるのはその屋敷で暮らすお嬢様、そして彼女らに仕える使用人の娘。 …
Iの悲劇 作者:穂信, 米澤 発売日: 2019/09/26 メディア: 単行本 地方都市の更に外れ住む人のいなくなった蓑石地区に住民を呼び込んで再生させようとするIターンプロジェクト。 担当する「甦り課」はやる気のない課長と人当たりの良い新人そして公務員らしい公務員万願寺の3人。 移住してきた12人はなぜかトラブル続きでどんどんいなくなってしまう。 事件やトラブルが起こって途中からなんとなく構図が透けてきて最後はやっぱりなぁと思うと同時にちょっと悲しくなる。 観山さんは何を思う?
道化師の退場 作者:太田忠司 発売日: 2019/07/11 メディア: 単行本 殺人事件の容疑者として逮捕され留置所で自殺した母親の無実を証明するために余命半年でホスピスにいる名探偵の元を訪れる。 あれ?今気づいたけどシェイクスピア俳優で素人探偵ってドルリー・レーンを意識してるのかな? どうも主要登場人物がみんなサイコパスっぽくてこれってハードボイルドなのかな? 目的のためにはあまり他のことは気にしないというか。。。 今日も寒い 昨日も一昨日もベランダのバケツ(花の水やり用)の水が凍っていた。 職場の灰皿(店舗の横に設置)の水も凍っていた。 灰皿片付けようと思ったら水道管は凍ってなかったけど…
アニメでお馴染み、お前らの好きなえるたその氷菓です。 地方の高校の古典部の1年生の男女4人が、学校を舞台に数々の謎を解明する探偵もの風の青春もの。平凡な成績の省エネやれやれ野郎ながら推理力だけなんでか突出してるイケメン高校生・折木奉太郎が主人公。あんま説明要らないよね。京アニ絵でこそないですが、良い作画。漫画になるとセリフの字数多いね。コナンもだし、推理もの・探偵ものはしょうがない。 巻末に原作者と作画者から、あの事件に関する哀悼とお見舞いのコメント。 ビジュアルはアニメ設定準拠の、原作小説のコミカライズですが、今巻から大きな変化がありまして、最初の1話はアニメ最終回「遠まわりする雛」の漫画で…
米澤穂信の「追想五断章」を読んだ。 追想五断章 (集英社文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2012/04/20 メディア: 文庫 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光(すごう よしみつ)は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探して欲しい、と依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり――。五つの物語に秘められた真実とは? 青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。 どのようにも受け取ることのできる終わり方というか、結末を読者にゆ…
【ドイツ人が見た『エヴァンゲリオン』のヒロイン像。アスカがしんどい】https://t.co/PhnzyX6ZSo凄い「何か」が投影されていなければ、25年にも渡り文化的議論のテーマであり続けられたわけがない! ということで考察しました。こんな人たちに直面し続けたシンジ君は大変だったのだなぁ。#女子SPA— マライ・メントライン@職業はドイツ人 (@marei_de_pon) April 19, 2021 joshi-spa.jpこの文章自体も興味深いものであるが、ブクマも多数コメントがついてるのでそちらに任せましょう b.hatena.ne.jp 自分はこのメントライン卿(なんでこの敬称なん…
今回ご紹介するのは、阿津川辰海『紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)』です。 ・2020本格ミステリ・ベスト10 国内第3位 ・ミステリが読みたい! 2020年度版 国内篇 第5位 ・このミステリーがすごい! 2020年度版 国内編 第6位 と高く評価されている本作ですが、実は続編である『蒼海館の殺人』の方を、それと知らずに先に読んでしまいました。 恩田陸の神原恵弥シリーズを読んだ時も、3作目から読んでしまいましたが、そういう星の下に生まれついているのでしょう。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 探偵の存在意義の変遷 消極的な名探偵たち 『紅蓮館の殺人』での名探…
(本稿は『真実の10メートル手前』の抽象的ネタバレを含みます。) 『真実の10メートル手前』(米澤穂信著、東京創元社)はフリージャーナリスト大刀洗万智の活躍を描いた連作ミステリー短篇集だ。ほとんどの作品にろくでもないおじさんが登場し、ろくでもないおじさん見本市みたいになっている。それも、ダメだが憎めないおじさんではなく、単に嫌なおじさんばかりだ。私もはてブで批判ばかりしているので、作中に登場する批判ばかりしているおじさんなど身につまされる。おじさんとしてはろくでもない女性や若者も出してよ、と思うが、米澤氏の中でろくでもない奴はおじさんばかりだという実感があるのかも知れない。 米澤作品を読むたび…
鵜川妙子は五年の服役の果てに、満願成就を迎えられたのだろうか。
▶『春の夢』を観る。 2016年制作の韓国映画。 モノクロ。 春の夢 [DVD] 発売日: 2018/10/02 メディア: DVD 3人のぼんくら男たちと、ひとりのマドンナとの青春物語。 と言っても、むかしの日活映画のようにパーッとはじけたりはしない。 タイトルの春の夢のごとく、あわあわとおぼろに霞んでいるのである。 ろくに稼ぎのないチンピラ、イクチュン(クラゲ兄貴の親族の葬式で笑ってしまってから、仕事がなくなった。ってクラゲ兄貴ってなんだよ!)。 給料も満足に払ってもらえないまま仕事をクビになったジョンボム(北朝鮮出身者。お前の目を見てると憂鬱になる、と言うのがクビになった理由)。 裕福で…
あなたも名探偵作者:市川憂人,米澤穂信,東川篤哉,麻耶雄嵩,法月綸太郎,白井智之発売日: 2021/02/22メディア: 単行本 前作同様、難易度はかなり高めの作品ばかり。 何か見返りがあればともかく、真剣に挑戦してみようという気には なれなかったので、読み物として読んだ感想となる。 まぁ前作の段階で、本気で頭にはちまき締めて犯人当てとして挑戦するより、 短編集みたいな気分で構えずに読んだ方がいい作品集だとわかったので、 今回は最初からそのスタイルで臨んだということだけど。 というわけで、この形式だからって期待は、はなから捨てていたので、 そんなことは特に気にせず愉しめたから、今回の採点は7点…
「運が良ければ、一生忘れられないような体験になると思いますよ」 円居挽『日曜は憧れの国』を読みました。 久しぶりの創元推理文庫というだけで、なんだかわくわくしちゃいますね。 創元推理文庫というと、有栖川有栖や北川薫といった推理小説の名手を輩出した本格推理小説の老舗レーベルという印象があります。 しかも著者である円居挽さんは我孫子武丸、綾辻行人、法月倫太郎といった新本格ミステリブームの旗手を多数輩出した京大ミステリ研のご出身。 創元推理文庫+京大ミステリ研というブランドが揃っただけで期待値は膨らまらざるを得ません。 久しぶりの推理小説という事もあって、とにもかくにも楽しみな一冊となりました。 四…
はじめに 氷菓って? 氷菓はアニメ版、映画版、漫画版の名前 アニメ版 映画版 漫画版 じゃあ古典部シリーズって何? 読書経験の少ない方にも 氷菓♯1~♯5 愚者のエンドロール#8~#11 クドリャフカの順番#12~#17 遠まわりする雛#1、#6、#7、#19~#22 ふたりの距離の概算(アニメ一期の続編) いまさら翼といわれても#18 二期について はじめに 古典部がわすれられない! そんな人を数多生んだ 「古典部シリーズ」 二期を心待ちにしている人 (私もです) たくさんいるでしょう しかし正直二期はないんじゃないか そう思っております。 このブログでは その辺りの理由 そして アニメの一…
ご来訪に感謝。 ところで、こんなことを思う時がないだろうか? ネパールへ行ってみたい。 ジャーナリストになりたい。 王族になりたいけど、殺されたくはない。 ちょうどよかった。 そんな人にオススメの小説がある。 米澤 穂信さんの『王とサーカス』だ。 王とサーカス posted with ヨメレバ 米澤穂信 東京創元社 2018年08月30日頃 楽天ブックス Amazon Kindle あらすじ 海外旅行特集の仕事を受け、太刀洗万智はネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王殺害事件が勃発する。太刀洗は早速取材を開始したが、そんな彼女を…
今週、読んだ小説や漫画、ほか。 ※感想はあったりなかったり。 ※漫画の再読は含まず。 先週はどの本も中途半端に読んでしまい、結局完読がなかったので、まとめて。 『日本懐かしボードゲーム大全』(再読) 『ボードゲームカタログ201』(再読) 福井健太『本格ミステリ鑑賞術』(再読) 佳多山大地『謎解き名作ミステリ講座』(再読) 森博嗣『正直に語る100の講義』 西澤保彦『探偵が腕貫を外すとき』 西尾維新『悲惨伝』 米澤穂信『本と鍵の季節』・・・ちょっとした謎が予想外の真相になっていく手法とダークな味わいがとにかく上手すぎる。
特等添乗員αの難事件 VI(6) (角川文庫) [ 松岡 圭祐 ]価格:704円(税込、送料無料) (2021/4/10時点) 楽天で購入 7年ぶりのシリーズ完全新作! 人の死なないK-POPミステリ。 閃きのヒロイン、浅倉絢奈が訪れたのは韓国はソウル。同僚の妃華莉、美波と共に韓流ツアーを率いるが、到着早々に思いもよらぬ事態に見舞われる。日韓が抱える“ある問題”が影を落とす微妙な時期だけに、失態は許されない。ラテラル・シンキングを武器に、今回も難局を乗り越えられるか!? 読むだけで水平思考が身について賢くなる、人の死なない“K-POP”ミステリ。この巻からでも楽しめるシリーズ完全新作第6弾! …
本屋大賞ノミネート作品です。 こういうファンタジー大好きです。 正に「本の本」。読書好きにはたまりません。 もう設定からしてワクワクしてしまいます。 物語の舞台は、有名な書物の蒐集家であったひいおじいさんと、その娘であるおばあさんが、コツコツと集め続けた蔵書のコレクションが収められた「御倉館」。 その影響で、町全体も読書の町となっています。 しかしその御倉館から本が盗まれてしまいます。 と思ったら、なんと、町がある本の内容を現実にしたように変わってしまうのです。k どうやらこれは本にかけられた呪いのせいのようです。 御倉館の娘、深冬は、どこからともなく現れた、白い髪の少女、真白と共に町をもとに…
米澤穂信さんの小説。評判も良かったから早く読みたかったのたが、結局半年ぐらい積んでいた。その感想。ネタバレありまくりなのであしからず。 あらすじから何からを確認して、やっぱり暗い話なんだろうとは思っていたが想像以上に辛辣でビックリした。最後のほうはなおのこと、途中のボトルネックのくだりから色々となんか思い当たってしまって、そこから絶妙な気持ちで読んでいた。 まずなんと言っても嵯峨野家の家庭事情だが、僕の浅い経験上だが創作の中でこれほど酷い家庭環境は知らない。わりと現代的な時代で描かれているせいで、妙にリアリティがあるような気がして正直胸糞というほかなかった。浮わついたことだけならまだしも本当に…
3月に発売した新作でおすすめしたいのはミステリーとしては「ネメシス」「幸運は死者に味方する」を推します。ネメシスはドラマのノベライズということでミステリー作家が変わるがわる書いているのでミステリーでも読み方が変わるし、愉快なキャラ立ちしていて楽しめるかと。幸運は死者に味方するは海外ミステリーで、ミステリーとしても良いが探偵と助手が魅力です。 ミステリー以外では俳優の中村倫也さんのエッセイも良かったです。 恋愛でも「赤くない糸で結ばれている」が恋にまつわる素晴らしい短編集でした。新刊ではミステリーで「春待ち雑貨店 ぷらんたん」「卒業したら教室で」が特に優れていて読み終えても浸れました。ラブコメで…
最近、ライトノベルを読むのにはまっています。 というのも、もともとアニメが好きで、アニメ化されていない続きが気になり、ライトノベルに手を出してみました。 「安達としまむら」と「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」の2作品を読んだのですが、今回は安達としまむらの感想を書いていきます。 安達としまむらとは?百合アニメ? 必要以上に深い人間関係を築こうとしないしまむらと引っ込み思案でこれまで友達をつくってこなかった安達の関係を描いた作品です。 ジャンルでは、百合系に分類されますが、基本的には安達が情熱的にアタックし、しまむらが冷静に対応するといったかんじなので、いちゃいちゃする百合アニメでは…