ある天気のいい日、掃除機をかける為に敷布団をめくった。 めくった瞬間、時が止まった。 裏側に人差し指ぐらいのムカデが布団に静止していた。 私の頭はムカデを仕留めるモードに一気に切り替わった。 急いで物置に走り中を引っ掻き回して殺虫剤を探す。 見つけた殺虫剤を握りしめ、そばにあったハサミを手に取り早足でムカデのもとに向かう。 そこにムカデはいなかった。 私は瞬時に夜寝る時の恐怖を想像する。 ムカデの潜む場所に頭が支配される横になった暗闇を。 もし寝ている子どもの耳にでも入ったら…。 そう想像した瞬間、私の顔つきはキリッとなる。そして、部屋中を慎重に慎重に捜索し始める。 几帳面な博士のように、ゆっ…