小説家、ノンフィクション作家。1957年生まれ。 日本大学芸術学部中退。1986〜1988年、パリ〜ダカールラリーにドライバーとして参戦。また、アマゾン秘境に釣行するアウトドア派でもある。 ノンフィクションライターとして、2006年、「下山事件最後の証言」で第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)と第59回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)をダブル受賞。 小説家としては、2007年『TENGU』で、第9回大薮春彦賞を受賞。
柴田哲孝著「私立探偵・神山健介シリーズ」の5冊を読みました。 「渇いた夏」(2008年12月 祥伝社 / 2010年7月 祥伝社文庫)「早春の化石」(2010年4月 祥伝社 / 2012年3月 祥伝社文庫)「冬蛾」(2011年5月 祥伝社 / 2013年12月 祥伝社文庫)「秋霧の街」(2012年5月 祥伝社 / 2014年10月 祥伝社文庫)「漂流者たち」(2013年8月 祥伝社) 前回紹介した、同じ著者の「刑事・片倉康孝シリーズ」の4冊⬇️ savasurvival.hatenadiary.com の前の、2008年から2013年に書かれたシリーズです。 私は、1冊読んで気に入ったら、同じ…
以下ネタバレ含みます。 2022年7月8日、安倍晋三元総理が二発の銃弾によって絶命した。現場は奈良市の近鉄大和大寺駅の北口付近。参院選に向け、候補者の応援に駆け付けた最中での凶行だった。 いろいろあって退陣したにせよ、腐っても当時の自民党最大派閥を束ねる元総理である。街頭演説ともなればSPが脇を固めるだろうし、所轄警察も万全の警備体制を敷くはずだ。にもかかわらず、本当に日本こんな事件が起きてしまったのか、というのが多くの人々の心情だったろう。映画や小説じゃあるまいし、プロの殺し屋でもない凡庸な青年が、屈強なSPのガードする要人をあっさり殺せてしまうものなのか—— あの事件から2年が過ぎたいま、…
抹殺 作者:柴田 哲孝 光文社 Amazon あらすじ 生き残れ。殺してもかまわない。元首相襲撃の真相に迫る『暗殺』で話題沸騰の著者が、絶望の戦場を描く!自衛隊日報問題を起点に繰り広げられる緊迫の軍事サスペンス! ――殺られる前に敵を殺れ―― 〝特戦群〟では常に、そう教えられてきた。 元自衛隊員の遺体がまた見つかった。共通するのは、政情不安下の南スーダンにPKO部隊として派遣された""特戦群""メンバーだったこと。俺たちは狙われている――同隊所属の風戸亮司の疑惑は深まり、危機からの突破口を探り始める。時を同じくして一人の女性医師が南スーダンから帰国し愛娘と再会した。だがその直後、凄惨な悲劇に遭…
暗殺柴田哲孝幻冬舎2024年6月20日 第1刷発行 2024年7月26日 第7刷発行 知り合いが、『暗黒自治区』の著者・亀野仁さんが面白いと言っていた、というので、読んでみようと思った。 megureca.hatenablog.com 図書館で予約しようと思ったら、すごい人数の順番待ちだったので、エイヤッとポチった。フィクションの単行本で1800円(税別)。まぁ、映画をおもえば安いもんか・・・。 内容は、亡き安倍総理の暗殺事件にまつわる様々な憶測をフィクションで表わし、、、って感じだろうか。知り合いの警察庁OBの方に言わせると、「まぁ、フィクションの世界だから、どうともでも書ける。興味なし・・…
拝啓、あなた様少し前に読んだ、柴田哲孝さんの「暗殺」に、朝日新聞阪神支局襲撃事件のことが出てきます。今日は、光文社のスマートフラッシュの記事を読みました。「赤報隊事件」旧統一教会・元広報部長が明かす、というタイトルです。 えっ、これって、柴田哲孝さんの「暗殺」に書かれていた内容と一致しますよね?とても興味深い内容です。真実が明らかになる日が来ますように。 かしこ ------------------------------------------- 紙飛行機ドットコム ------------------------------------------- ● 「365日 Letter Styl…
柴田哲孝/幻冬舎/話題のベストセラー 暗殺 (幻冬舎単行本) 作者:柴田哲孝 幻冬舎 Amazon あらすじ 実際の事件をモチーフにしたフィクション小説 元内閣総理大臣が演説中に聴衆の目の前で銃撃され殺された。 犯人はある宗教団体に恨みを持つ者で、その場で逮捕され単独犯とされた。 この事件は不幸にも数々の偶然が重ってしまったとされているが、 本当は必然だったのか、ほかに真犯人がいるのか・・・。 感想 この小説はあくまでフィクションなのだが、 実際に起きたことを記録したかのような完成度となっており、 ノンフィクションを読んでいるかのような錯覚を抱いてしまう。 読み進めていくうちに、この事件に当初…
(本文引用等のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください)拝啓、あなた様柴田哲孝さんの「暗殺」に登場するシャドウについて考えました。この小説の最後にシャドウが登場します。2023年2月13日。羽田空港にシャドウの姿がありました。田布施元首相の銃撃事件が起きたのは、2022年の7月ですから、シャドウは、事件後すぐには日本を脱出せず、半年以上も日本にいたことになります。”組織”は、シャドウに大金を支払って韓国から呼び寄せたとありましたから、シャドウは、”組織”の指示で動いているはずです。つまり、シャドウの意思で半年以上も日本に残っていたのではなく、"組織”の命令だと想像できます。シャドウが出…
(本文引用等のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください)拝啓、あなた様柴田哲孝さんの「暗殺」では、雑誌社の契約社員である一ノ瀬さんのことが気になったので、雑誌社も気になると書きました。「週刊サブジェクト」では、一ノ瀬さんが書いた記事だけではなく、公安調査庁より機密メールが流出したという記事も出ています。これは、公安の篠山宗太さんが関係しているんですよね。この篠山さんも、すごく気になる人物です。●--------------------------------------------●もしかしたら今回の案件は、その”公安調査庁”が国民に対して”正義”を敢行するための、絶好の機会になる可能…
(本文引用等のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください)拝啓、あなた様柴田哲孝さんの「暗殺」は、登場人物の名前が気になると書いてきました。同様に、人物の名前だけではなく、団体や組織、会社などの名前も気になります。現実とリンクしているのがわかりやすいのは「自由憲民党」でしょう。これは「自由民主党」のことですよね。「合同教会」も容易に想像がつきます。わたしの想像ですが。「週刊サブジェクト」は「週刊文春」がモデルではないかと思うのです。週刊文春さんは、疑惑の銃弾という特集記事を書いていたのでね。小説「暗殺」では、一ノ瀬さんが一度記事を書いた後、続報を書くことを中止させられてしまいました。豊田…
(本文引用等のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください)拝啓、あなた様柴田哲孝さんの「暗殺」における、偶然に関する話の続きです。前回は、一ノ瀬さんが奥野ダムに落ちたときの偶然について書きました。では、車に乗っていたもう一人の男、石井継男さんはどうなった?という話です。一ノ瀬に対して、石井は不運だったとあります。●-----------------------------------------------------●運転席のドアが開いた。車外に飛び出した上半身が樹木に当たった。車内に残っていたのは胴体だけだった●------------------------------------…