このブログで度々取り上げさせてもらっている阿満利麿先生の著書の中でも、特にここ数年、繰り返し読んでいるのが『『歎異抄』講義』(ちくま学芸文庫)です。阿満先生の公開講座「『歎異抄』を読む」をまとめたもので、この本から気付かされることがいくつもありました。 それらの気付きの中のひとつに、私の過去と照らし合わせて、とても印象に残っている内容があります。それはこの本の冒頭のあたりに書かれている「聞く」と「聴く」の違いについてです。 『歎異抄』の冒頭である「序」には、著者の唯円が『歎異抄』を書くにあたっての思いが表されています。 故親鸞聖人御物語のおもむき、耳の底に留まる所いささかこれをしるす。『歎異抄…