ついに、すべての水の女をブロック、削除した。 一晩で、あれだけの金を使わせる女だ。まともであるはずがない。 判断の基準は、いまや単純だ。 金を、求めてくるか、求めてこないか――それだけだ。 会社の上司に教わった言葉だ。 しつこく寄ってくる女もいなくなった。胸のあたりが、ひどく静かだ。 SNSで水商売の女と繋がることほど、無防備なことはない。痛い目を見た。何度も、何度も。 無理に予定を入れられ、無理に延長させられ、無理に金を失った。 手元にあるのは、わずかな金だ。 いや――わずか、というにも惜しい。 入った金は、クレジットカード、ジムの会費、家賃、年金に消える。 吹き出し口を開いた水道のように、…