6月1日からは水道週間です。蛇口を捻ると飲むことのできる水が出ることは、とってもありがたいものです。国土交通省の調査で水道水をそのまま飲める国は日本を含めて12カ国だそうです。 古代ローマの都市が繁栄した背景には、高度な水道技術の存在が不可欠でした。紀元前312年に建設された「アッピア水道」は、その礎を築いた最初の水道であり、後の大規模な水道システムの原型となりました。全長約16.6kmのうち、その99%が地下に埋設された導水路であったことは、敵からの破壊や水の汚染を防ぐという、極めて実用的な配慮から生まれたものでした。この地下を流れる設計は、水源から都市へと重力だけで水を運ぶための精密な勾配…