夏の暑さが厳しくなると、誰もが欲しくなるのが「氷」です。キンキンに冷えたドリンクや、かき氷、アイスクリーム――これらの陰にはいつも氷の存在があります。しかし、この「氷」という物質は、ただの冷却手段や飲食物の付け合わせにとどまらず、自然や文化、科学の中に深く根ざしている奥深い存在でもあるのです。 1.氷の基本的な性質 氷は、水が0度以下になることで凍り固まった固体の状態です。通常、液体が固体になると体積が縮むものですが、水は例外です。凍ることで体積が増えるという特性を持っているため、湖や川が凍っても表面から凍り、中の生物が生き延びることができる仕組みになっています。この性質は、地球上の生命の存続…