波の伝播のようすを記述する偏微分方程式。 電磁気学、量子力学等で頻出。
一次元では、波の速度をc、位置x・時刻tにおける変位をu(x,t)とすれば
一般には、ラプラシアンを△として
略記すれば、ダランベルシアンを□として □u = 0
→シュレディンガー方程式 →リスト:リスト::物理関連、リスト::数学関連
「スタンフォード物理学再入門 量子力学」は、スタンフォード大学教授レオナルド・サスキンドが同大学で行った社会人向け講座(The Theoretical Minimum)から誕生した一冊にして、先に記事にした「スタンフォード物理学再入門 力学」の姉妹編(続編)である。 その性格上、「力学」同様、この「量子力学」(以下、同書と記す)もまた、企図しているのは厳密詳細な理論展開や計算技術の開陳ではなく、量子力学の基本とその特質を、概念理解に重点をおいて俯瞰的に紹介している。 私は同書を、「力学」と併せ邦訳の電子書籍として購入したが、今般再読のため開こうとしたらKindleには入っておらず、よくよく確認…
0.はじめに 解説の流れ スピーカーの出力音の音圧を表す式 1.波動方程式を求める 1ー1.連続の式 1ー2.運動方程式 1ー3.波動方程式 0.はじめに 仕事でスピーカーのエンクロージャの設計をするために、理論体系を勉強してEXCELで特性のシミュレータを作ったことがありました。ところが、仕事を変えてからというもの、久しぶりにEXCELに入力した式を見ても、「なんでこんな式入れてるんだっけなぁ」とかなり忘れてしまっているようです。 ということで、思い出しがてら、備忘録的にブログにアップしておこうと思います。もしかしたら誰かの役に立つかもしれないし。 作ったシミュレータは、ドライバーユニット単…
MathJax.Hub.Config({ tex2jax: { inlineMath: [['$', '$'] ], displayMath: [ ['$$','$$'], ["\\[","\\]"] ] } }); 波動方程式 (wave equation) は、次の式で表される2階線形偏微分方程式です。 [\tex v]は、 差分法を用いて簡単に数値計算できます。以前、練習で解いてみたものです。
12月中旬に急遽対面からオンラインに切り替わった後期授業ですが、オンデマンド講義動画の撮影が明日で終了予定ですので、ようやくメドが付きました。その中で最後まで残ったのが「応用数学」というラプラス変換、フーリエ級数、偏微分方程式の初歩を扱う学部2年次の選択科目です。 1月3コマ分の偏微分方程式入門をどのような内容にするか非常に悩みましたが「1次元波動方程式」「1次元熱伝導(拡散)方程式」「2次元ラプラス方程式」の混合問題(初期条件+境界条件)をそれぞれ1コマずつとし、変数分離の条件下で常微分方程式の解の重ね合わせの公式を適用し、フーリエ正弦級数に持ち込んで解く方法にしました。もっとも、波動方程式…
シュレーディンガー方程式とは フランスのド・ブロイはボーアの原子モデルをもとに電子波動説を唱え、粒子が波と同じような性質を持つといいました。 ド・ブロイが提唱した電子の波は そのまま電子波とかド・ブロイ波ともよばれますが、 電子は物質を構成する素粒子の一つでもあり、 最近では他の素粒子にも同じような波動性が確認されたので 今では物質波と呼ばれています。 シュレーディンガーはド・ブロイの提唱した物質波に 興味を持ち波動力学として理論構築をおこないました。 波動性を示す物質が時間と共に他の位置に伝わっていくという挙動を計算するための式がシュレディンガー方程式です。 下記の数式で表されます $$ i…
円城塔という作家に思いをはせるとき、真っ先に連想するのは「天才」の二文字である。 思えば、私が円城塔を知ることとなった切っ掛けは、伊藤計劃というSF作家にあった。「虐殺器官」、「ハーモニー」、その他いくつかの優れた作品と「屍者の帝国」という長編の冒頭部だけ書き残して夭折した作家の足跡を、高校時代の私は貪るようにして求めていた。 そんな私が、円城塔という作家に出会わない筈がない。円城塔は伊藤計劃と関連深い作家であり、何を隠そう「屍者の帝国」の絶筆を引き継いだのが彼だからである。とは言えその作風は、伊藤計劃とは真反対と言えるだろう。 私が初めて手に取った円城作品は「Self-Reference E…
光学設計に登場する様々な枠組み, 近似手法を簡単にまとめました. 電磁光学, 物理光学 光を電磁波として扱う産業レベルでは最も(量子光学を除いて)厳密な理論です. 要はマクスウェル方程式ベースで光学を構築する分野ですが, 電磁場から物質と磁場の作用を無視したものを特に物理光学近似*1と呼ぶ文献もあります. 周波数数百THzぐらいの可視光の領域でよく使われる近似ですが, ただ最近は物理光学近似の枠にはまらないメタマテリアルやメタレンズなど高度な光学素子が登場していますので, 今後はより多くの電磁光学的知見が求められるようになるかも. 実際CADベンダーも最近はこの電磁波光学解析のできるソリューシ…
図書館で借りた本。1977年発行の古い本である。 量子論をもう少し分かりたいと以前から思っていたのだが、やはり基本的に難しいので、それじゃあ歴史の方を勉強してみようということで読んでみたのである。 なお、この本も数式がたくさん出てきて十分難しい本である。 でもいろいろと面白かった。特に、この本のほとんどは光子と電子の関係なのがよい。最後の14章で陽電子やら中性子やらニュートリノやらがぞろぞろと出てくるが、それまでは基本的に電子の話で、陽子は存在を認めながらもほとんど絡んでこない。 量子論の発展史 (ちくま学芸文庫) 作者:高林武彦 筑摩書房 Amazon この本のメインの流れとは関係ないけれど…
Simple Description 微分方程式の体系 微分方程式 ODE(常微分方程式) PDE(偏微分方程式) n階微分方程式 斉次線形ODE 解曲線 初期条件 一般解 特殊解(特解) 特異解 リプシッツ条件 求積法 重ね合わせの原理 単純な例: 自由落下 線形1階斉次ODE 速度に比例する抵抗 線形1階非斉次ODE 抵抗のある落下 定係数斉次線形2階ODE 単振動 減衰振動 定係数非斉次線形2階ODE 強制減衰振動 PDEの変数分離 Basic Problems 常微分方程式の求解 Standard Problems 常微分方程式の求解 LCR回路 変数分離法 Simple Descri…
計算例 (2)Mathematica(級数解) 次はWolfram CloudのMathematicaだ。Mapleではpdsolveコマンドだけで最終解に辿り着けなかった事に比較すると、今回のMathematicaの計算結果は優秀である。DSolveコマンドだけで解析解が出力されている。若干、補足しておこう。 Derivative[0, 1][u][r, 0] == 0は時間微分を表す。BesselJZero[0, K[1]]はベッセル関数のゼロ値を求める関数。Out[13]の3行目の式は分子にゼロを掛けているので、実際は不要。無限級数だとplotに難があるので、3項までを取り出したのがOu…
A2 波動方程式(二次元) A1では一次元の例として弦の振動を扱ったが、今回は二次元ではあるが、極座標を用いて、円形膜の振動(太鼓)を考える。 デカルト座標(直交座標の事)では式(1)で表される。 円形膜の振舞を考えるので、これを極座標に修正する。その際にx=rcos(θ)とy=rsin(θ)を用いる。 ここでrは原点からの距離、θはx軸と動径のなす角度。 この式(2)が構成式になる。 式の座標変換(直交座標->極座標)については、馬場氏のテキストが解りやすい。また解説で出てくるベッセル関数やベッセルの微分方程式についても、馬場氏テキストが入門と言える。 アプリケーションによってはこの面倒な座…
Maxwell方程式の解は波動方程式を満たしていることを確かめる. 今読んでいるEvansの教科書の章末問題を日本語に翻訳して引用する. $\E =(E^1, E^2, E^3),\ \B =(B^1, B^2, B^3)$はMaxwell方程式 \begin{equation} \left \{ \begin{alignedat}{1} \E_t&=\cur \B\\ \B_t&=-\cur \E\\ \divergence \E &=\divergence \B =0 \end{alignedat} \right. \end{equation} をみたすとする.このとき$\ \E_{tt}…
こんにちは、みなさん!今回は、量子力学が解き明かす宇宙の謎について探り、その可能性に迫ります。臨場感を意識し、具体的な内容と解説を交え、勉強になる情報をお届けします。 1. 量子力学の基本概念 概要と背景 具体的な内容と解説 2. 宇宙の謎と量子力学 概要と背景 具体的な内容と解説 読者が勉強になる内容 宇宙の起源と量子力学 ネット上での情報 まとめ ショップの紹介 SNSでシェア 他の記事もぜひ 1. 量子力学の基本概念 概要と背景 量子力学は、ミクロな世界での物質とエネルギーの振る舞いを説明する物理学の一分野です。これにより、原子や素粒子のレベルでの現象が理解されます。 具体的な内容と解説…
人類は19世紀後期にあらゆる物理現象を古典物理学で説明、起こすことができると思っていた中、量子の存在を想定しないと説明、起こすことができない物理現象があることを発見しました。 While people in the late 19th Century believed that they could explain and cause any phenomenon with classical physics, they unexpectedly discovered that there were some phenomena that could be explained and caus…
結論から言えば、素数方程式とは、量子力学の波動方程式です。つまり、確率です。この事から、何故、我々は素数を捕まえるのに、「コツコツ」と時間をかけて、探し出さなければならないかが分かります。例えば、「エラトステネスの篩」とかを使って。 量子力学が教える所では、量子が存在する位置は、実際に観測するまで分かりません。観測するまでは、量子は「確率の波」の上に居るからです。素数も同じです。素数の位置は、素数定理で表されますが、それは自然数の中に素数がどのくらいの「割合」で含まれているかを表しているだけです。つまりは確率です。この事が意味する事は、素数は量子だと言う事です。素数も量子と同じように、確率の波…
はじめに 私たちが民主主義を良いものとし、権威主義を嫌うようになった背景には、歴史的な経緯や教育、文化的な影響が大きく関与しています。この考え方の形成にはいくつかの重要な要因があります。 歴史的背景 1. 戦後の世界秩序: 第二次世界大戦後、アメリカを中心とした民主主義国家とソ連を中心とした共産主義国家の対立(冷戦)が始まりました。この時期、多くの西側諸国は民主主義を掲げ、自由や人権の重要性を強調しました。 2. 民主主義の成功事例: 西ヨーロッパやアメリカ、日本など、多くの民主主義国家が経済的な成功を収め、安定した社会を築いてきたことが、民主主義の優位性を示す一つの証拠とされました。 教育と…
ひも理論の勉強のついでに、相対論の理論的構築法を再考したいなと思い、名著と名高い場の古典論の3章くらいまでを読んでみます。ほぼメモ帳です。 第1章 相対性原理 §1相互作用の伝播速度 §2世界間隔 §3固有時間 §4ローレンツ変換 §5速度の変換 §6四元ベクトル §7四元速度 第1章 相対性原理 §1相互作用の伝播速度 物理現象の記述のためには、時間と空間からなる「基準系」が必要です。あの辺、この辺、この間では困るのですね。明確に座標を定めなくては行けません。とくに、他から相互作用を受けない物体が等速直線運動を行うような系を「慣性系」と呼びます。 慣性系に対して等速で動く別の系も慣性系なので…
はじめに 今回は理系難関大学受験生みんな大好きな苑田尚之先生について詳しく話していきたいと思います。 授業について まずは苑田先生の授業スタイルについて。苑田先生の授業は他の高校物理を教える先生とは違って数式に重点を置いています。僕自身あまりこういう言い方は好きじゃないんですけど、所謂「微積物理」というものです。微積分を当たり前のように使うので数学が苦手な人にはちょっと敷居が高いかもしれませんが、微積分を使うのはちゃんと意味があるからです。 そもそもニュートンの運動方程式というものは位置の2回微分微分方程式というもので、力学を語る上では微積分の知識は必須であり、微積分の知識なしで語るのは困難で…
幾何光学も光線も似たような概念でつい同一のものとして扱いがちですが, 厳密にいえば違うということ, そしてそもそも光線って何?ということを今回考えていきたいと思います. 波動方程式のおさらい マクスウェル方程式から得られる波動方程式の解としてスカラー波に話を限定させたとして以下の電場関数を考えます. ここでが振幅部分, が空間に依存する項目をまとめたもの, が真空換算の波数, Lが真空換算の空間を進む距離を表す項です. 特にこのLをEikonal(アイコナール)と呼びます. を使うことで空間依存項と時間依存項に分けることができますので, これを波動方程式に代入することで以下の位置のみに関する微…
ノンフィクションを愛する読者にとっても見逃すことのできない小説だ。チリの作家ラバトゥッツが2021年に発表、このほど邦訳された『恐るべき緑』は、4つの独立した短中編とそれらを結ぶエピローグからなる。実在の科学者・数学者の人物伝という体なのに、作者いわく〈現実の出来事に基づくフィクション〉だという。いったい、これはどういうことだろうか。 冒頭の「プルシアン・ブルー」は、第二次世界大戦時にドイツが兵士に支給していた覚醒剤から話を起こし、大戦末期にナチス高級将校の集団自殺に使われた毒薬が紺青色の合成顔料に由来すること、ナポレオンを死に至らしめた緑色の壁紙のこと、第一次世界大戦で初めて兵器として毒ガス…