海のなかである、 急に足がつった。水中にからだが引き込まれる。 Hとわたしの二人しかいない 私「あかん!!足つった」。足がけいれんをおこしていた。 H「がんばれ。のりも」 沈んでゆくのが分かった。 意識が遠のきそうになったとき、急にからだが浮いて海面に出た。 うしろから、必死でHが背中から押して泳いでくれている。 ひと息ついて、遅いがやがて手足が動くようになった。 しかし、岸までまだとおい。 そこから、20分ほど泳いだであろうか、やがて足が届く深さに来た。 Hが 「のりもぉ、足がつくぞ。ここから歩いて岸までゆこう」と叫ぶ。 わたしは、まさに這う這うの体で岸までたどり着いた。 二人して、あおむけ…