ごく幼い時分から、どういうもんか踏切という造設物が好きである。 晴天に恵まれた。神田祭のさなかとのことだ。明神さまの由緒は平将門を祀ったことに始まるが、やがて江戸八百八町の氏神さまとなった。たいへんな人出でごったがえしていることだろう。さぞや観光客も多かろう。日ごろ明神さまの境内では、ガラス張りの安置所に鎮座して、参詣人や観光者を驚かせ、眼を愉しませている巨大神輿も、今日あたりは眼抜き通りを練り渡るのだろうか。 ひと頃の私であれば、じっとしてなどおられずに、あとさき考えずにともかく出かけてみようと思い立つところだが、今では人混みを歩く気分になれない。 台東区在住の旧友の SNS によれば、その…