相棒からの連絡 電話を切って、アスファルトに長く伸びた、影を眺める。 相棒となった刑事と現場近くのカフェで合流し、「財布」を拾った場所の確認をすることになった。 約束の時間までまだ少し時間がある。俺は一人で街を歩くことにした。 10年という歳月が、この街の記憶をどう書き換えたのか、この目で確かめて、記録しておきたかった。 街の断片、記憶の風化 かつて聞き込みに奔走した、大通りの交差点。塾の看板は、今も変わらず街を見下ろしている。自転車で駆ける少年少女、明るい笑い声を響かせる学生たち…。 この通りは今も、若者たちの活気で満たされている。あの日と同じ風景のように見えて、すでに事件を知らない世代が、…