------講義録始め------ フロイトもピアジェも、発達のそれぞれの時期に特徴的な状態があることを想定しており、それを「発達段階」と呼んでいます。ただし、フロイトであれピアジェであれ、それらの段階が大人になるという状態で、一つの最終的な状態として捉えられており、大人が一つのゴールとされています。しかし、人の発達は大人になることで完了するわけではありません。 成人以降の発達がどのようなものかを考える必要があります。成人期以降の発達も含め、それぞれの時期の発達課題を考えた人としてハヴィガーストがいます。ハヴィガーストの発達課題論は、1930年頃のアメリカでの理想的な市民の姿を想定したもので、…