「ええっ! 虹って、七色じゃないんですかっ?」 思ってもみなかったことを聞いてびっくりしたわたしは、広い店内の隅々にまで響き渡るほどの大声をあげてしまった。わたしは、ひゃっと身体を小さくして、あわてて口元を押さえた。 「ご、ごめんなさい、大声出しちゃって。でも、七海、本当なんですか。子供のころからずっと、わたしは虹は七色だって思ってきたんですけど」 「あたしもさくらと同じで、虹は七色だと思ってたよ。というか、思うよ。たしか、音階に対応してるんじゃなかったけ、アレは」 わたしの向かい側に座っている響ちゃんも、不思議そうな声で七海に尋ねた。もっとも、その目は七海の顔ではなくて、七海が持ってきてくれ…