「今度のディズニーはいつ行こうかな〜!」 感情が高ぶった声が、 うたた寝中の私の耳に飛び込んできた。 楽しい計画の会話は、いつ聞いても心地いい。 けれどこの声には、どこか微かな淀みを感じる。 保育園の駐車場は、 夕方になるとお迎えのママやパパでごった返す。 軽く挨拶して自転車を急ぐママ。 車に乗り込み、会釈だけで去るパパ。 みんな、どこか慌ただしい。 そんな中で、さっきの声がまた響く。 どうやら“あのママ”らしい。 繊細なレースとたっぷりのフリル。 夢見る少女のようなメルヘンチックな装い。 連れている男の子の服や髪型にも、 ママの好みが前面に出ている。 動きやすさや本人の希望より、 見た目が優…