小説。安部公房の代表作の一つ。1962年に発表。 第14回読売文学賞、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。 二十数カ国語で翻訳されている。 著者自身の脚本で映画化もされた。
主人公がある地方で、穴の中に落ち、そこに住んでいた女性との不条理な生活を描く。村人は主人公をあくまで 穴の中に閉じ込めようとする。
砂の女 (新潮文庫)
環境の変化に反発し、あらゆる手段を模索し逃亡を図る男。 逃亡できる機会があったのに、砂の家に留まることを決めた心境は・・・? あらすじは以下の通り 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中に引き留めておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。どきゅメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに人間層ン材の象徴的姿を追求した書下ろし長編。20数か国語に翻訳された名作。 物語全体を通して「湿気を含んだ砂」の描写が多く、読んでいて不快感が伝わってくる。砂の穴底に家…
砂の女(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon 砂の女を読んだ。 実はこの本を買ったのは結婚前10年以上前のことだけども、積読として10年以上も読まずに放置していた。 3年前くらいに読もうとベッドの枕元に置いて寝る前にチマチマ読み進めることにしてみたのだが、それが全然進まない。 子供の寝かしつけのタイミングで読むかと思ってたけど、想像以上にストーリーの進展が少なく同じ場所で主人公による考察や妄想虚言?等がとても多くて長い。 寝る前にこんなの読んでたら気が狂ってしまうのではないか、と心配になるくらいキツかった。正直なところ考察とか心情描写はもっと減らして話をとっとと進めてほしかった。 …
最近読んでおもしろかった本をまとめました。 1.読書間奏文(エッセイ) 2.百年の孤独(小説) 3.砂の女(小説) 4.なぜ働いていると本が読めなくなるのか(新書) 5.鬼と日本人の歴史(新書) 1.読書間奏文 藤崎 彩織 a.r10.to SEKAI NO OWARIのピアノ担当、Saoriこと藤崎さんが本との関わりを描いたエッセイ。バンドマンと女性らしさの狭間でもがいたり、自分よりピアノが巧い同級生にどうしようもなく嫉妬したりする姿に自分が重なりました。 2.百年の孤独 作:Gabriel García Márquez 訳:鼓 直 a.r10.to 新潮文庫から文庫版が出たことで話題となっ…
ぼくは箱男だったかも知らない。1973年4月の新潮社の新刊案内に「箱男」があったのである。1973年(昭和48年)はどのような年であったか、拾い集めてみました。 第1次オイルショック、ベトナム和平協定、インフレ・狂乱物価、ドバイ日航機ハイジャック事件、ブルース・リーが死去、金大中事件、巨人軍V9、田中改造内閣発足(1973年11月)などありました。 日本に激震が走った、第1次オイルショック(昭和48年10月~昭和49年8月)ですが、1973年( 昭和48年)の晩秋、日本全国のスーパー店頭からトイレットペーパーや洗剤が消えました。1973年10月、アラブ諸国とイスラエルとの間で「第四次中東戦争」…
はじめに 隣の芝生は青く見えるものだし、世界で自分一人が不幸の底にいるように思われるものだ。しがらみの糸で地面に縫い付けられたまま、目玉をぎょろぎょろさせて隣の芝生や空を睨んでは、「ここではないどこか」へ行けたら自由になれると信じて今日も辛酸を舐める。では、しがらみから解放されたら、自由を手に入れたら、人は幸福になれるのか。砂の穴に囚われた一人の男から、幸福について考えた。 1.あらすじ 2.どれいの穴 3.幻の城 4.幻の塔 5.家出青年 おわりに 1.あらすじ 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男…
いつか読もう読もうと思っていた『砂の女』にようやく手を出した。 読む楽しみが増えたなあ。 a.r10.to ランキング参加中読書
こんにちは、皆さん!今日は、安部公房の名作『砂の女』について語りたいと思います。この作品は、まさに一度読んだら忘れられない、心に深く刻まれる物語です。 『砂の女』の魅力とは?『砂の女』は、ある男が砂に囲まれた村に迷い込み、そこで一人の女性と共に生きることを強いられるという奇妙な設定から始まります。この物語の魅力は、その独特な世界観と、登場人物たちの心理描写にあります。砂という無機質な存在が、まるで生き物のように感じられる描写は圧巻です。 心に残るシーン特に印象的だったのは、主人公が砂の中での生活に徐々に適応していく過程です。最初は逃げ出そうと必死になりますが、次第にその生活に意味を見出し始める…
砂丘に昆虫採集に来た教師自身が砂に囚われ逃げられなくなる。安部公房の個人主義や近代社会への疑いを、脱出を諦め砂の男に変わっていく教師の存在で表現している。寄生する生物のような砂の恐さと美しさ、肌に汗と砂がまとわりつく岸田今日子の官能、素晴らしい音楽。国内のみならずカンヌで審査員特別賞受賞、アカデミー賞監督賞&外国語映画賞にノミネート、さらにゴダールやスコセッシを熱狂させた勅使河原宏の最高傑作。 (シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用) 監督:勅使河原宏 出演:岡田英次/三井弘次/岸田今日子/伊藤弘子/矢野宣/関口銀三/市原清彦 最初に観たのは中学のときで、トラウマになりました(笑)。 ほかに…
youtu.be <公式> ストーリー:時代がわからない日本のどこか。元カメラマンの〈私〉(永瀬正敏)は箱男。街中の箱の中から人々をじっと観察してノートに記録する。そんな彼の前に偽医者(浅野忠信)と看護師(白本彩菜)が現れる。彼らの診療所にはもう一人軍医と呼ばれる老人(佐藤浩一)がいる。偽医者も自分もまた箱男になろうとしていた...... 2024年公開、石井岳龍監督。監督は1980年代、原作者安部公房に映画化を託されていた。作家はなくなり、最初の映画制作が1997年にトラウマ級のタイミングでぽしゃり(公式やインタビューで出てくる)、2013年に企画が再始動して、そこから10年かかってやっと完…
作品名:「砂の女」 作者名:安部公房 あらすじ 『砂の女』は、安部公房による1962年の小説で、現代日本文学の名作とされています。この物語は、砂漠のような砂に埋もれた村での奇妙な体験を描いています。 物語の主人公は、若い昆虫学者の男、氏名は明示されていませんが、「私」と呼ばれることが多いです。彼はある日、砂に埋もれた村での調査を終え、帰路につく途中、道に迷ってしまいます。彼が迷い込んだ村は、砂に覆われた集落で、砂の中に家が埋まっている不思議な場所です。 村人たちは、砂が家を覆い尽くさないように、毎日ひたすら砂を掘り起こしているのです。この不思議な仕事は、村の住人たちにとっては日常であり、彼らは…