フランシス・ベイコンの代表作《磔刑》(1965年, ミュンヘン)から作家の全体像に迫る一冊。ひとつの作品に焦点を決めて作家の本質に迫っていく著作は刺激的で学習効率もよく、概説書や入門書の次に読むものとして貴重な位置を占めている。実際に接したところでは商品としての間口が広いとは言えないので、商売上一般的には限定された顧客層向けの隙間商品で、気に入ってもらえたら同じシリーズ作品も認めたうえで読んてもらいたいというような意志が感じ取れる。 シリーズ本体定価は2200円。 基本的には、学校を含めた公共の図書館から評価されて広く長く読者を待つスタイルの本ではないかと思う。※私も図書館からの利用者のひとり…