「茶の本」に刺激され、同時代の日本人による英語書籍を読んでみた。有名なのは新渡戸稲造の「武士道(Bushido: The Soul of Japan)」(1900年)だ。武士の徳目として、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義などを挙げ、西洋の騎士道やキリスト教倫理と対比しつつ日本人の誠実さや忍耐強さを説いた。 本書は日清戦争と日露戦争の間に著された。遅れてきた日本の急速な近代化と台頭に世界が驚き、その国民性が注目された時期だった。米国大統領セオドア・ルーズベルトが激賞し、日露戦争ではこの武士道の真価を証明した形となり、大統領が停戦を仲介する動機づけにもなっただろう。 これに先立つ日清戦争期には、内村鑑三…