文章を書いたり、本を出すこと自体には、あまり生産性がないように思っていたものです。なんとなく男一生の仕事でもないようにも考えていました。かなり若い頃なのでお許しください。 一目で皆にわかり、残るようなこと、たとえば、長いトンネルを掘ったり、すごい橋をかけて、人々の日々の暮らしが一変したなどというのは、わかりやすいですね。死ぬときにも達成感があるような気がしたのです。 ピラミッドを作り上げたとき、それは永遠の世界を感じられる。多くの人は完成を見ずに過酷な労働だけで死んだのでしょうが、途中まででも、人生をかけて、自ら運んだものが目に見える形で積み上がって残るのは、それなりに生きた証となったことでし…