私は若狭に住んで40年以上になります。四季折々の風景や人々のあたたかさに囲まれて暮らす中で、少しずつこの地の歴史にも興味を持つようになりました。 最近、ふとしたきっかけで地元にまつわる歴史資料を目にし、驚くことがありました。なんと、明治維新の英雄・西郷隆盛の弟であり、明治政府の要職を歴任した**西郷従道(さいごう つぐみち)**が、明治三十一年にこの若狭の地を訪れていたというのです。しかも、それは単なる訪問ではなく、国防や輸出港としての価値を訴える、ある種の政治的な意味合いを含んだ滞在だったことがわかりました。 長年住んでいても、まだまだ知らない若狭の一面があるんだなと感じるとともに、もっと深…